エジプト出身の大砂嵐(22=大嶽)が夏場所(5月11日初日、両国国技館)から「金太郎」の化粧まわしを締めて土俵入りすることが決まった。寄贈元は「金太郎生誕の地」とされる静岡・小山町。8日、都内の大嶽部屋を訪れた込山正秀町長から手渡され、「自分の(しこ名の下の)名前でもあるし、とてもかわいい」と笑顔で話した。

 大砂嵐金太郎のしこ名は、相撲でクマを倒すほど強かったという童話「金太郎」に出てくる主人公にあやかって、大嶽親方(元十両大竜)が名付けた。そのしこ名に縁を感じた込山町長が発起人となり、2月から町民らから寄付金を募って制作。12年の町制施行100周年記念のシンボルデザインを入れたまわしを贈った同町長は「町ぐるみで応援していきたい。早く横綱になって」と激励した。

 大砂嵐は春場所は初日から7連勝し、右内転筋を痛めて途中休場しながら再出場して千秋楽に勝ち越しを決めた。夏場所は自己最高位を更新するのは確実で、大きく勝ち越せば朝青龍らに並ぶ外国人力士最速の新三役も見えてくる。場所前の5月3日には小山町で行われる「金太郎春まつり」にゲスト参加し、化粧まわしを初披露する予定。「金太郎みたいに強くなる」と決意を新たにした。【鎌田直秀】

 ◆ユニークな化粧まわし

 化粧まわしにはさまざまな絵が描かれている。稀勢の里はご当地グッズとしても人気のハローキティ。山口県下関市出身の豊響は名産のふぐのイラスト。豊ノ島はアンパンマンの作者、故やなせたかし氏が地元高知をイメージして描いたクジラ。千代大龍はゆでたまご氏のキン肉マン、勢は高須クリニックから贈られた毎日かあさんの西原理恵子氏のイラスト。大砂嵐も相撲漫画家琴剣氏に自身がピラミッド前で仕切る姿を描いてもらっている。