人気者はつらいよ!?

 春巡業が19日、千葉・館山市で開かれ、幕内遠藤(23=追手風)は横綱日馬富士(30=伊勢ケ浜)から、この巡業2度目の指名を受けてぶつかり稽古に臨んだ。直前まで幕内最多25番を取っただけに、すぐ息が上がる。乱れたざんばら髪を直す余裕もない8分間もの稽古に、終了後も土俵下で起き上がれないほど力を出し切り、疲れ切った。

 1日の京都巡業で日馬富士に胸を借り、12日の前橋巡業では横綱白鵬と三番稽古。奉納相撲を除く今巡業6日間中、3日も横綱から指名を受けている。「打率いいな、オレ。今なら巨人のレギュラーを取れるかもしれない」と苦笑いした。

 もちろん“愛のむち”だと分かっている。日馬富士から「お客さんが喜ぶからね。頑張ってほしい」と期待をかけられ、巡業部長の尾車親方(元大関琴風)にも「必ず、あいつのために生きてくる」と言われた。「日がたって『あれがあったから今がある』となれるよう頑張ります」。そう言うと横になり、すぐに眠りの世界へと誘われた。