<大相撲名古屋場所>◇13日目◇25日◇愛知県体育館

 最後の最後で、手痛い結末が待っていた。攻め続けた横綱白鵬(29=宮城野)だが、土俵際に追い詰めたところで逆転の小手投げを食らった。2敗目を喫し、琴奨菊と高安に並ばれた。悔しさがこみ上げたのか、取組後は風呂場に20分以上も閉じこもった。

 またも、立ちはだかったのは大関稀勢の里(28=田子ノ浦)だった。10年九州場所では連勝を「63」で、昨年名古屋でも「43」で止められた。史上3人目の30度目優勝を狙う今場所も因縁の敵に敗れて、優勝争い単独首位の座から降ろされた。

 それでも、風呂から上がり支度部屋に戻った白鵬には、ショックを引きずる様子はなかった。目を閉じながら「負けは負けですから。悔いはないです」と、はっきり言った。残り2日は、横綱戦が待ち受ける。「今日みたいな、前に出るいい相撲を取りたい」。悠然と堂々と、30度目の優勝へ向けて気持ちを切り替えた。