大相撲の新大関豪栄道(28=境川)が28日、東京・足立区の境川部屋で大関昇進後、初めて土俵に入って稽古した。名古屋場所12日目の横綱日馬富士戦で半月板を損傷した左膝にはテーピングはせず、サポーターだけ。師匠の境川親方(元小結両国)から「無理するなよ」といたわられながら、三段目の若い衆を相手に、仕切りの位置からぶつかること23度。続けて5度、徳俵まで下がり、より長い距離で相手を押し込んだ。

 「思ったよりスムーズに動けた。最初は不安を持ちながらやったけど、痛みなくできて徐々に不安も取れた。安心はしていないけど、とりあえず1歩進んだ」

 左膝は当初、歩くのがやっとだった。夏巡業を全休し、若い衆も部屋の合宿で不在。ぽつんと残された。だが、外食などで出歩いては「よくない」と、食事は出前を取るなど工夫した。リハビリに集中し「前向きに治すこと、早く土俵に復帰することだけ考えてやっていた」と打ち明けた。

 新大関の秋場所(9月14日初日、東京・両国国技館)。「順調には来ている。ぶっつけ本番という感じにはならなさそう」。土俵復帰の手応えは上々のようだ。