<大相撲秋場所>◇3日目◇16日◇東京・両国国技館

 勝ち取っての“新大関1勝”が、するりと逃げた。豪栄道(28=境川)は嘉風を押し込むも、回り込まれて最後は右足を取られた小股すくいで、背中から倒れた。「立ち合いから押し込んだところまで良かったけど、土俵際でちょっと慌てた」。先場所敗れた相手に再び屈した。

 前日に新大関初白星を挙げるも、不戦勝。「相撲を取って勝たないと、何の自信にもならない」と言い聞かせていた。朝稽古では審判部の師匠の境川親方(元小結両国)に、今場所初めて稽古終了まで見守られ、一番ごとに助言を受けた。生かせず黒星も、言葉は下を向いていない。「立ち合いは悪くない。弱気にならず一番一番集中したい。一番勝てれば落ち着いていく。これから、これから」。