大相撲の秋巡業は25日、広島市で行われ、土砂災害の避難所となっている公民館を慰問した幕内豊ノ島(31=時津風)が、ファンのために「力士運動会」の再開を熱望した。「力士会で自分も言っているけど、もっとファンへ感謝を込めたイベントをやった方がいい。横綱もずっとやりたいと言っている運動会を復活できたらいいな」と望んだ。

 力士運動会は1908年(明41)5月に亀戸天神境内の広場で初開催され、力士会の運営では54年5月に1回目を迎えた。以来、90年代まで続いたが、99年2月を最後に途絶えている。

 「何歳になっても運動会となるとテンションが上がって前の日は眠れない。こけたり息が切れたり、普段お相撲さんがしないことを一緒にしたら、見ている人は面白いし、力士も楽しいと思う。横綱ら上位が仮装したら驚きもあるしね」

 豊ノ島が考える種目はこうだ。(1)100メートルはきついので20メートル走(2)短距離バトンリレー(3)すり足競争(4)力士に受け身を取らせて進む「転がし競争」(5)立ちはだかる他チームの力士を、ぶつかり稽古のように押してどける「障害物競走」-。

 これもより多くの人に、相撲と力士に親しんでもらいたいから。「どこかスポンサーがつかないかなぁ」と切望していた。【今村健人】