印刷機の故障で製造が遅れていた大相撲の新関脇逸ノ城(21=湊)の豆力士型携帯ストラップが、巨大化してしまった。九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)へようやく完成したが、従来のほかの力士の商品より一回り大きい。製作を担当する相撲錦絵師の木下大門さんは「工場に版下を送るとき、小さくしないでとは指示したんですが、そのまま作られて…。従来の袋に入らなくなってしまった」と苦笑いした。

 人気の携帯ストラップは木下さんがデザインし、業者に印刷と縫製をしてもらう。巨大化させる予定はなかったが「あれだけの体ですから気持ち、大きく描いたんです」。すると業者も自然と、中に詰める綿の量を増やしたという。まるで逸ノ城の体重のように、図らずも一回り大きくなってしまった。売店でつり下げる袋も急きょ、用意した。

 本来は秋巡業から販売する予定だったが「遠藤ストラップ」の作りすぎで印刷機が壊れ、遅れていた。代わりに、まげとざんばら髪の計3種類が登場する。「価格(650円)は同じなので割安感はあるかも。ただ、並んだほかの力士は肩身が狭くなりそうです」。土俵の外でも逸ノ城が、他の力士を駆逐している。【今村健人】