<大相撲九州場所>◇14日目◇22日◇福岡・福岡国際センター

 新関脇逸ノ城(21=湊)が、勝ち越した。頭で突っ込んでくる大関稀勢の里(28)を胸で受け止め、体を左に開いてはたき込み。「上位の人、みんなと当たって、三役で勝ち越し。うれしいです」と控えめに喜んだ。今場所、横綱大関戦は1勝5敗も、関脇以下とは7勝1敗と取りこぼしが少ない。新三役がいきなり関脇だった場所で勝ち越した例は、94年春場所の武双山(9勝6敗)以来、20年ぶりの快挙となった。

 新入幕の秋場所は13勝2敗と旋風を起こした。注目度が一気に上がり、ストレスも重なって秋巡業は帯状疱疹(ほうしん)を発症して途中休場。稽古不十分のまま臨んだ九州場所だったが、勝ち越しにつなげた。「次の場所からは、もっと稽古して臨みます。もっと立ち合いができたらいいと思う」。千秋楽に9勝目を挙げたら、大関とりへの起点となるかもしれない。

 4敗目となった稀勢の里は、報道陣の質問に無言を貫いた。