<大相撲九州場所>◇千秋楽◇23日◇福岡国際センター

 横綱白鵬(29=宮城野)が、大鵬に並ぶ史上最多32度目の優勝を決めた。横綱鶴竜(29)を寄り切りで下し、14勝1敗で偉業を達成した。

 白鵬の優勝回数はどこまで伸びるのか?

 優勝31回を誇る元横綱千代の富士の九重親方(59)は、V32は白鵬にとって通過点だと指摘し、あと最低5回は優勝できると予測した。優勝24回の北の湖理事長(61=元横綱)は、40回を超える見通しを示した。

 白鵬の32回目の優勝を、九重親方は福岡国際センター最上階の監察室で見届けた。その瞬間、V31で並んでいた自らの記録は抜かれた。だが気にすることなく、白鵬の今後について語った。

 九重親方

 最多記録に並べたのは素晴らしいこと。優勝回数はまだまだ続く。体の続く限り、頑張るんじゃないの?

 もう最低でも5回はできる。白鵬にしては普通の流れの中での32回じゃないか。まだピークは過ぎていないと思う。

 一方で、白鵬に注文もある。今場所も照ノ富士戦でダメ押し。取組前に汗をきっちり拭かず、懸賞の取り方が乱れているといわれても、なかなか直らない。

 九重親方

 自分でしっかりビデオを見て、師匠や協会が注意しないと。ほうっておくからこうなるんだ。傷が浅いうちに言っておかないと。

 白鵬の独走を許すほかの力士の奮起も促した。今のところ、白鵬にライバルは見当たらない。

 九重親方

 白鵬は偉いが、もっと他の人が努力をしないといけない。そうすればもっと相撲が良くなる。特に、他の横綱、大関。白鵬が一番頑張って稽古しているんだから。