大関稀勢の里(28=田子ノ浦)が1月31日、渦中の一番について語った。両国国技館で行われた不知火親方の断髪式後、初場所13日目の横綱白鵬(29)との一番について「(取り直しで)負けたから何とも言えない」と前置きした上で話した。

 問題の一番は、逆転の小手投げを打ったものの軍配は白鵬に。取り直しの決め手になったビデオ判定には「何とか取り直しに持ってこられてラッキーだった。助けられた部分もある」と“科学の力”に助けられつつ、劣勢は認識していた様子。一方でビデオや写真だけで測れない、相撲の独自性にも触れた。白鵬の右足甲が返っていた写真など、報道で騒動を知ったそうだが「ビデオでは見えない部分や流れもありますから」。明確な基準などない「死に体」も勝負判定の要素。微妙な勝負のあやについては、言及を避けた。

 3日には千葉・成田山新勝寺で、白鵬らと節分の豆まきに出席する。「一生懸命、福をまきますよ」と笑って国技館を後にした。