アマチュア相撲の全国学生個人体重別選手権で昨年、無差別級3位に入った宇良和輝(22=関学大4年)が12日、兵庫・西宮市内の同大学で木瀬部屋への入門会見を行った。同大学初のプロ入りとなる172センチ、107キロの小兵は「2年で関取に昇進することが目標です」と決意を表明した。

 奇手の居反り、足取りが得意で「相手の予測できない動き」がモットー。107キロでバック宙ができる運動神経を持つ。居反りは中学までやっていたレスリングの「飛行機投げ」が原型。立ち合いでいきなりバックステップを踏むなど、取り口はフリースタイル。木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「最初は、これ、相撲かな?

 と思った。スタイルを変えず多くの相撲ファンに見てもらいたい」。宇良のキャッチフレーズには「アクロバット」と即答した。

 大学2年の8月、65キロ未満の階級で相撲歴4カ月の京大1年生に押し倒された。「非常に悔しかった。体重別にこだわるのはやめよう」と無差別級に挑戦。小学校と幼稚園の教員免許を取得見込みだが、プロ入りを決断。「大相撲の観客の前で大技を決めたい」。しこ名は本名を希望。“アクロバット宇良”が春場所(3月8日初日、大阪・ボディメーカーコロシアム)でデビューする。【益田一弘】

 ◆宇良和輝(うら・かずき)1992年(平4)6月22日、大阪府寝屋川市生まれ。4歳でわんぱく相撲に参加。相撲と並行して小学3年から中学3年までレスリングにも取り組む。京都・鳥羽高から関学大に進学。172センチ、107キロ。

 ◆居反り(いぞり)

 相手の差し手をかかえ相手の脇の下に頭をつっ込み、差し手でまわしを取り、腰をかがめて後ろへ反る。幕内では56年春場所14日目の前ノ山-楯甲戦で前ノ山が、64年夏場所2日目の岩風-若天龍戦で岩風が決めた2度だけ。十両では93年初場所12日目に智ノ花が、花ノ国に決めた1度しかない。