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朝青龍モンゴル到着、無言で温泉施設へ

無表情のままモンゴルへ出発する朝青龍(撮影・水谷安孝)
無表情のままモンゴルへ出発する朝青龍(撮影・水谷安孝)

 【ウランバートル29日=盧載鎭】横綱朝青龍(26=高砂)が29日、厳戒態勢の中、モンゴルへ帰国した。出発の成田空港に約250人の報道陣が集結する中、午後2時すぎの成田発の航空機で離日。約5時間のフライトを経て同6時(日本時間同7時)に、家族らに迎えられてウランバートルに到着。同9時(同10時)には西へ400キロ離れたウールハンガの温泉施設へ向かった。師匠の高砂親方(元大関朝潮)、精神科医の本田昌毅医師に加え、約30人の報道陣も同行。朝青龍問題の舞台は、日本からモンゴルへ移された。

 母国に着いた朝青龍は、ウランバートル市内の実家には寄らず、熱望していた母の手料理を口にすることもなく、父の故郷でもある温泉地のウールハンガ県ハラホリンに向かった。この日午後6時、ウランバートル・チンギスハン空港に降りた朝青龍は高砂親方、本田医師、家族らと同市内の日本食レストランに直行。食事を口にしたか、会話を交わしたかは不明だが、家族らと約1時間半の、つかの間の団らんの時間を過ごした後、家族が運転する車で、8時間とも10時間かかるともいわれる温泉地に旅立った。

 モンゴルに着いても、日本の報道陣に口を開くことはなかった。同空港では兄ら家族に迎えられたが、報道陣の前では口を固く閉じたまま。飛行機から降り、要人専用のVIP口から出た。空港には出迎えるファンの姿はなく、日本からの報道陣が50人以上も集まった。報道陣から「母国に戻った感想は?」と聞かれても日本同様、目線を向けることも、口を開くこともなかった。

 機内では最前列左の窓側に、本田医師と並んで座った。腰を下ろして3分後には目をつぶり飲食は一切、取らなかった。着陸直後に本田医師に小声で話し掛ける場面はあったが、自らブラインドを下げ5時間以上のフライト中に、目を開けることはなかった。飛行機を降りる際には、ドアの真ん前に立ち、客室乗務員にモンゴル語で耳打ち。その直後、飛行機のドアが開いたが、朝青龍が降りてからその乗務員が出口に立ちふさがる形で10秒以上も、ほかの乗客が出るのを防ぐ一幕もあった。同乗していた日本の報道陣を避けるための行動とみられ、ピリピリムードを漂わせた。

 本格治療は30日に開始する。再来日の予定は立っていないが、温泉地では精神面の治癒とともに、痛めているひじ、腰も治療する。モンゴルは、朝青龍にとって最も安らげる場所でもあるが、1カ月前にサッカーに興じて騒動を起こすきっかけをつくった地でもある。気が緩み、再び勝手な行動を取れば命取りとなる。その地で、復帰に向けた本格的な闘いが始まる。

[2007年8月30日9時24分 紙面から]

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