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北の湖理事長、朝青龍騒動触れず

- 白鵬(左)ら3役力士とともに土俵上であいさつする北の湖理事長
北の湖理事長(54)が、観客に横綱朝青龍(26=高砂)の出場停止を説明しないままに秋場所がスタートした。朝青龍問題は国民的な関心事になったにもかかわらず、この日の協会あいさつでは「朝青龍」の文言は一切なし。もやもやを残したままの本場所突入に、観客からも不満の声が上がった。朝青龍不在で「1人横綱」になった白鵬(22)は、西小結安馬(23)に首投げで敗れる波乱。新大関琴光喜(31)は、栃乃洋を上手出し投げで破った。
日本相撲協会は、空気が読めていなかった。十両取組途中で行われる場所初日恒例の「協会あいさつ」。マイクの前に立った北の湖理事長は「今場所は、横綱をはじめ各力士が全力を尽くし、気迫のこもった土俵を展開。皆さまのご期待にお応えできるものと存じます」などと、用意された文書を読み上げた。朝青龍問題に対しての説明も謝罪も一切なかった。
観客席からは不満の声が上がった。70代の男性弁護士は「絶対に説明するべきだった。これだけ世間を騒がしたのだから、『申し訳ない』の一言もあるべき。なぜ、それぐらいのことができないのか」と怒りをみせた。琴光喜のファンという23歳の男性も「新大関が誕生したことにも触れないし、物足りない。観客あっての大相撲という意味でも、朝青龍が出場停止になった理由はあらためて説明するべきだったのでは」と、口をとがらせた。
「協会あいさつ」の文言は、協会職員が文書をつくり、それを北の湖理事長が読み上げることが恒例になっている。協会関係者は「あえて朝青龍の問題には触れなかったのでは」と解説したが、同理事長も事前に文書に目を通し、OKを出している。イメージダウンにつながる騒動がありながらも場所に足を運んだ観客に、協会として「説明責任」を果たしたとは、とても言えない。
この日「満員御礼」の幕は下ろされたが、内実は残券1150枚で入場率は90%。両国国技館開催の東京場所の初日では、06年初場所以降で最低の数字だ。2日目以降の入場券の前売り状況も、芳しいとはいえない。いまだにスッキリしない朝青龍問題。協会側の想像以上に、観客は敏感なようだ。
[2007年9月10日9時17分 紙面から]
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