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朝青龍暴言騒動は不問、協会が大甘の対応
「死ね発言」をした横綱朝青龍(27=高砂)に対して、日本相撲協会幹部が不問に付す考えを示した。25日に米ハワイから再来日する際にホノルル空港に軽装で現れ、関空でも暴言を吐いた朝青龍について27日、協会理事で生活指導部長の伊勢ノ海親方(61=元関脇藤ノ川)は事情聴取すらしない方針を明かした。公衆の面前での悪態だが「直接聞いたわけじゃない。呼び出す予定もない」と、今回も大甘対応で幕を引きそうだ。
角界の感覚は、世間とはかけ離れていた。横綱以前に人間として問題ある朝青龍の発言も、伊勢ノ海理事は不問に付す考えだ。
「いろいろ新聞で見ているだけなので。本人は言ってないと言ってるし、言ってないんじゃないの。言った言わないの話になるし、師匠も注意したと記事で見たからね」。
朝青龍が25日に再来日した際、関西空港でカメラマンに「死ね! このヤロー!」と発したことは、報道を通じて知るだけだ。昨年、朝青龍が出場停止などの処分を受けた際には「モンゴルでサッカーに興じる」姿の“証拠”があったが、今回、映像やテープはない。この日まで発言の真偽を本人に尋ねていない協会は、今後も事実の確認すらしない方針だ。
また、米ハワイ出発時の空港で朝青龍は、アロハシャツに短パン、サンダル履きだったことにもという姿だった。公の場での力士は着物が常識だが、これにも同理事は「ハワイではアロハというのは正装だからね。関空ではびしっと(着物を)着てたし、細かいとこまで言うのも」と追及しない構えだ。
昨年、平幕把瑠都がTシャツ、短パン姿で都内を出歩いていたことが発覚した10月には、師匠とともに呼び出して厳重注意した。今回も「常識と照らし合わせて考えるべき」と言うが、26日に高砂親方(元大関朝潮)が注意したことで、幕を引く考えだ。
当の本人はこの日、けいこを休んだ。高砂親方は「休むという連絡があった。明日から出げいこに行くと思うよ」と話した。協会の大甘裁定で、「品格」を問われ続ける横綱の問題言動に、終止符は打たれるかは疑問だ。【近間康隆】
[2008年2月28日9時3分 紙面から]
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