【上海(中国)22日=佐藤隆志】競泳界のキング、平泳ぎの北島康介(28=日本コカ・コーラ)が、24日の競泳開幕を前に、平井伯昌ヘッドコーチから太鼓判を押された。競泳代表は会場の上海オリエンタルスポーツセンターで調整。途中から付きっきりで泳ぎをチェックした恩師は、上向く状態を見逃さなかった。

 平井ヘッド

 調子自体いい。相撲でいうなら1回目の仕切り。内に秘める自信、余裕を感じる。すごく柔らかい泳ぎで足のキックも効いている。気持ちが高まると、グッと上がる。昨日より今日というように。パンパシの時もそうだった。

 そのパンパシフィック選手権(昨年8月)は、100メートル59秒04、200メートル2分8秒36という昨季の世界最速記録で優勝している。その時の記憶が、平井ヘッドの脳裏によみがえった。一方の北島は一貫してリラックスムードだった。水を確かめるように泳ぎ、その表情は穏やか。中国メディアの取材には「大会を楽しみたい」「自然体で臨む」。そう言いつつ、傍らを通り過ぎる海外の女性選手に手を振ってあいさつするなど、余裕しゃくしゃく。

 北島

 レースは長いんで馬なりで。初日からレースあるから、今日、明日でうまくコントロールして、泳ぎながら調子を上げたい。

 まず競泳初日24日の100メートル予選から登場。平井ヘッドは「北島が代表に合流してムードも盛り上がっている。初日から勢いを付けてもらいたい」。チームリーダーとなる北島が、メダルラッシュを狙う日本競泳陣の火付け役を託された。