<水泳世界選手権:競泳>◇26日◇上海

 日本のキャプテンが「怪物」に競り勝った。男子200メートルバタフライ準決勝2組では松田丈志(27=コスモス薬品)が北京五輪8冠のフェルプス(米国)を抑えて1位。1分54秒30で全体首位で決勝進出を決め「いいタイムだと思います。練習でやってきた泳ぎができました」と声を弾ませた。

 抜群のレース運びだった。3コースの松田は50メートルを3番手で通過。100メートル過ぎに7コースのフェルプスをつかまえると、150メートルでは0秒04の差をつけて逆転した。一騎打ちとなった終盤も失速せず「手ごたえとしては良かった」。フェルプスを0秒55抑え、観客席で盛り上がる日本選手団へ誇らしげに手を振った。

 レース前に男子100メートル背泳ぎで入江が銅メダルを獲得した。日本チーム主将は「先に(入江)陵介が取ってくれて、日本チームとしてもいい流れ。次世代のエースがやってくれたので、僕もついていきたい」と刺激を受けた。

 前回09年ローマ大会も準決勝を1位通過しながら、決勝は世界新記録を出したフェルプスに敗れて3位。怪物の怖さを知っているだけに慢心はない。今日27日の決勝へ「彼も百戦錬磨。自分のできることを全部出して、全力で臨みます」と口もとを引き締めていた。