<バレーボール:全国高校選抜優勝大会:東九州龍谷(大分)3-1古川学園(宮城)>◇最終日◇26日◇東京・代々木体育館◇女子決勝

 東九州龍谷(大分)が、11年ぶりの優勝を狙った古川学園(宮城)を退けて、女子初の3連覇となる通算5度目の優勝を果たした。

 ことしの東九州龍谷の2枚看板は、鍋谷が175センチ、村田は169センチと決して大きくない。それでもセッター比金の高速トスからのスピードあふれる攻撃で、大柄な古川学園を面白いように翻弄(ほんろう)。相原監督は「ことしは無名の子ばかり。公立高校並みの小ささで勝てたことには、満足がある」と目尻を下げた。

 昨年のチームは、全日本選手権でプレミアリーグ勢を撃破して4強入りした。相原監督が「日本代表より速いのでは」と言う“お家芸”の高速攻撃は、ことしも健在だ。サーブレシーブでのセッターへの返球は直線的。続いてセッター比金が高速平行トスを自在に供給するから、相手ブロックはついていけなかった。

 相原監督は「なぜうちだけ速いトスを打ち切れるか不思議でしょ」と不敵に笑う。詳細な内容は「企業秘密」とするが、練習は強豪校としては決して長くない1日3時間という。その中で培われた精巧なコンビネーションと的確な判断力。168センチで12得点の中筋は「バレーは身長じゃないことを伝えられた」と喜んだ。