<世界バレー2010女子:日本3-0コスタリカ>◇1次リーグA組◇2日◇代々木第1体育館

 2次リーグ進出を決めている世界ランキング5位の日本が3-0で同31位のコスタリカにストレート勝ちして、開幕4連勝を飾った。エース木村沙織(24=東レ)がスパイク、ブロック、サーブとフル回転して、チーム最多の17得点を挙げる活躍を見せた。3日は1次リーグA組1位をかけて、世界ランキング9位のセルビアと全勝同士で対決する。

 エース木村に満面の笑みが戻った。チーム断トツの17得点をたたき出し、マッチポイントも、自らのバックアタックで締めた。「しっかりと明日につながるバレーができた。一昨日までと比べて、(調子が)戻ってきた」と、3日の強豪セルビア戦に向け、エースが完全に復調した。

 第1セットの3-1から、圧巻のサオリショーだった。自らのサーブで、取りも取ったり9点連取。3本のサービスエースもマークした。185センチの長身を生かし、ジャンピングサーブを、これでもかと打ち続けた。あまりの連続サーブに、最後は余裕の苦笑いまで浮かべた。

 最初の2戦で、チームトップの計48得点を挙げた。だが、自分の中では何かがおかしかった。「他人が見ても分からないけど、空中で(ごくわずかだけ)バランスが崩れていた」。10月31日の第3戦は、わずか7得点に終わり「日本が負けなくて良かった」と、頭を抱えた。

 しかし、この日は、わずか中1日で、簡単に欠点を修正した。「(直し方は)口では説明できない。感覚で私にしか分からない」。以前、セッターの竹下が「サオリは感覚で打つ人。だから天才かも」と話していたのを、見事に証明してみせた。

 普段は、突然笑いだす天然系で愛称はサオリン。アイドル的な人気を誇るが、天才エースはたくましい。ブロッカーの井上は「サオリはレシーブ、スパイク、後ろからも打つ大変なポジション。サーブで狙われても平然としている」と驚く。完全復調のエースが、セルビアを圧倒するはずだ。【小谷野俊哉】