<世界バレー2010女子:日本1-3中国>◇2次リーグE組◇6日◇代々木第1体育館

 1次リーグを5戦全勝で通過した世界ランク5位の日本が、北京五輪銅メダルで同3位の中国に1-3で敗れ、初黒星を喫した。身長190センチの王一梅を中心とした中国の高さとパワーに圧倒されて、得意の速攻も生かせずに完敗。1次リーグ2勝3敗と不振だった相手に、2次リーグ初戦で屈した。7日は世界22位のトルコと対戦する。

 1次リーグの快進撃を支えた日本の速攻とコンビネーションが、中国の高さとパワフルに完敗した。第1セット、2セットを連取された。第3セットこそ29ー27で取り返したが、第4セットは12-25でねじ伏せられた。中国最多の25得点を挙げた190センチ、90キロのエース王の、高くて重いスパイクが何度も日本のコートにたたきつけられた。

 誤算があった。身長159センチの日本のセッター竹下と、王がマッチアップした。日本は王にはクロスに打たせて、レシーブで拾ってしのぐ作戦だった。しかし、真鍋監督は「王は身長が高くてパワーがあるけど、それよりも李の方がラインに打ち分けるのがうまくて嫌だった。だけど王は竹下の上からストレートに決めてきた」と振り返った。

 中国の高さに日本のコンビネーションバレーの“生命線”であるセンタープレーヤーの井上、山本のスピードが封じられた。苦しまぎれに大砲の木村、江畑の両サイドからの攻撃を繰り返し、はね返された。荒木は「江畑と木村に頼りきりになってしまった。あと1、2本取れれば、第1セットも第2セットも取れたのに」と唇をかみしめた。

 1次リーグを5戦全勝で突破しながら、2次リーグ初戦での完敗。今日7日のトルコ戦で自分たちのバレーを取り戻せなければ、32年ぶりのメダルは夢に終わってしまう。【小谷野俊哉】