<世界バレー2010女子:ブラジル3-2日本>◇準決勝◇13日◇代々木第1体育館

 世界ランク5位の日本があと1歩で金星を逃した。同1位のブラジルをサーブで崩し、第1、2セットを連取した。守備を修正したブラジルに第3、4セットを奪われて追いつかれ、最終セットも11-15で落として逆転負けしたが、大健闘したことで自信をつかんだ。今日14日の3位決定戦で、銀メダルを獲得した1978年以来8大会ぶりのメダルを目指し、同2位の米国と対戦する。

 日本は開始からサーブをカルバリョに集中させた。相手のわずかな弱点を突くことで、ブラジルのコンビネーションバレーを寸断した。第1セットを25-22で先取すると、ジュースにもつれ込んだ第2セットも、木村が連続でスパイクを決め35-33で奪った。

 しかし、ブラジルがカルバリョに代えて守備のいいゴンザーガを投入した第3セットから流れが変わった。第3、4セットを失うと、最終セットも江畑のスパイクが3連続で止められるなど一方的な展開に。「サーブでカルバリョを狙っていましたが、第3セットから選手が代わって、狙いどころが分からなくなった」と江畑は振り返った。

 世界1位を追い詰めたことは、メダル獲得へ自信になった。今夏の合宿で新しいボールを科学的に分析。サーブでどこを打てば、どう変化するかまで研究して成果が出た。今日14日の3位決定戦で米国に勝てば32年ぶりのメダル獲得となる。真鍋監督は「負けたのは悔しい。でも、本来の目標は3位以内に入ること」。高さのない日本にとって、米国戦でもサーブがカギを握りそうだ。【小谷野俊哉】