<ピンポン・ニッポン>

 日本女子代表で、今もっとも勢いに乗っているのはが平野早矢香(24=ミキハウス)だろう。1月の全日本選手権でシングルス3連覇を達成。3月には強豪を破ってドイツ・オープンを制し、プロツアーのシングルスでは3年ぶりとなる2勝目を挙げた。4月の世界ランクでは福原愛を抜いて、初めて日本人最上位の19位に浮上。国際大会では格上を撃破することが少なく「エース」の座を福原に譲っていたが、世界に通用することを証明した。

 男子顔負けの気迫を前面に出し、勝利へのどん欲さは群を抜く。北京五輪前には、かつて「20年間無敗」といわれた麻雀(マージャン)士の桜井章一氏にアドバイスを求めた。麻雀のルールは知らなかったが、著書に影響を受けて電話をかけて面会に成功。「印象に残ったのは『調子のいい時は楽しくない。流れの悪い勝負ほど楽しい』という話」。独自の勝負論を学び、時にはリスクを冒すことも必要と知った。

 古武術を取り入れたり、ボールの上に置いた板に、両足を開いて15分間乗るという独自の練習法を編み出し、バランス感覚を養った。ほとんどの選手はかかとをやや浮かせて構え、ボールに対して素早く対応しようとする。平野は体の軸がぶれなくなったことで、かかとを床につけたまま、浮かせた時と同じような動きができるようになったという。結果として体力の消耗が減って、今年の全日本選手権でシングルス、ダブルスの2冠に輝くなどトーナメントで強さを発揮している。

 世界選手権に向けて、相手のタイミングをずらす新しいサーブにも挑戦した。精神面、技術面ともに福原と並ぶ女子の2枚看板となっても「実績や世界ランクは関係ない」ときっぱり。挑戦者の気持ちを忘れず、虎視眈々(たんたん)と上位進出を狙っている。【高田文太】