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五輪を取り巻くビジネスは、スポンサーだけでなく、主役の選手が直接的に絡むものもある。お金の管理を含めて選手を支えるのが、エージェントという存在だ。選手がかかわる契約から日程調整まで、代理人として飛び回る。その1人が、男子100メートル世界記録保持者モーリス・グリーンの代理人を務めるエマヌエル・ハドソン氏(44)。陸上界では「らつ腕エージェント」として知られる。ポリシーは「選手の要望に、できるだけこたえること」と言う。 ハドソン氏は現在、エージェント会社「HSI」の代表の1人として、約20人の陸上選手の代理人を務めている。グリーン以外にも、アトランタ五輪男子の100メートル、200メートルで銅メダル2つを獲得したボルトン、女子200メートルで昨年の世界選手権優勝のミラーら、スーパースターがめじろ押し。それだけに「僕のポリシーを貫くには、やっかいなことが多いからね。選手たちも、無理難題をふっかけてくる時があるし」と実感を込める。 ハドソン氏は米国の多くの代理人と同様、弁護士資格を持つ。複雑な契約などに豊富な法律知識が必要で、弁護士資格は必須(ひっす)だ。代理人になる以前は、業務処理などを行う企業の弁護士として、主に米国と中東で活躍していた。「弁護士もエージェントも、顧客にベストなものを提供するという点で同じ」。 現在の最大の仕事は、グリーンに五輪で3冠を達成させること。その前には代表を決定する全米陸上が、7月中旬に待ち構える。「彼は五輪への挑戦が初めて。でも幸いなことに、五輪経験が豊富な選手と契約しているから、彼らからのアドバイスで、モーリスをベストな状態で調整させている」とも話した。大舞台に選手が出場できるかどうかは、エージェントの腕にかかっているともいわれるスポーツ界。選手との二人三脚が、五輪での金メダル獲得につながる。【五輪取材班】
(2000年5月18日付) |