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新種目に迫る ケイリン(3)
シドニー五輪の新競技「ケイリン」と日本の公営競技「競輪」は大きく異なる。「日本生まれ」「お家芸」といわれるが、メダル獲得には直結しない。事実、1980年から世界選手権の正式種目となったケイリンの金メダルは、87年本田晴美の1つだけ。苦戦の要因を分析するとともに、第一人者の中野浩一さん(44、日刊スポーツ評論家)に対処法を聞いた。「金は難しいかもしれないが、メダルの期待は持てる」と力を込めた。 ◆苦戦の要因(1)バンク 競輪とケイリンでは走路が違う。日本の競輪場は1周400メートルが主流で500メートル、333メートル。これに対し、海外は長くて333メートル。五輪では250メートルのバンクが用いられる。周回が短いとバンクの角度もきつい。五輪有力候補の神山雄一郎は「スピードスケートの選手が、ショートトラックで走っているようなもの」と表現したことがある。 中野 でもね、日本選手が対応に苦しむという方がおかしい。バンクが違うから勝てないという、ばかな話はない。脚力があれば、あまり関係ない。もっと現場でバンクに慣れるような練習をすればいい。 ◆苦戦の要因(2)コンディショニング 競輪との両立を目指すからこそ、ケイリンで勝つことが難しいとされる。五輪や世界選手権だけに照準を合わせてくる欧州の強豪選手に比べ、日本選手は収入源となる国内の競走もおろそかにはできない。98年3月に初めてナショナルチームがつくられ、強化を図るようになったが、その間の保障はない。 中野 そのために備えないと勝てないというのはおかしい。日本選手は毎日練習して、最高の状態で国内の競輪を走っているはず。その状態で向こうに行けばいいじゃないか。それで勝てないのは、コンディショニングではなく、力がないということ。気にする必要はない。 五輪代表が確実視される太田真一は98、99年の世界選手権でともに4位に入った。メダルに最も近い存在でもある。ナショナルチーム発足時からメンバーに名を連ね、ケイリンでも自信をつけた。 中野 ケイリンはチャンスがある。金メダルは難しいが、銀や銅なら可能性はある。ちょっとしたことで降格もあるし、運にも左右される。細かいことを気にせずに、おおらかになってほしい。自分たちに何が足りないのかを考えて、頑張ってほしいですね。【五輪取材班】
(2000年4月20日付) |