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支える人々 卓球コーチのマリオ・アミジッチ氏
欧州卓球界でこの男の名を知らない人はいない。日本卓球協会が今年1月から2年間の契約を結んだ外国人指導者は欧州で「ベスト・オブ・ベスト」と呼ばれている。指導した選手を挙げればプリモラッツ(クロアチア)サムソノフ(ベラルーシ)ロスコフ(ドイツ)ら世界ランク10位以内の常連ばかり。欧州のベストコーチとも称されるクロアチア人のマリオ・アミジッチ氏(45)が卓球ニッポン復活を担っている。 日本卓球協会とは当初、ジュニア(17歳以下)男子コーチとして契約を結んだ。昨年来日し、全国中学大会や東アジアホープスを視察。「日本には何人かの有能な選手がいると感じた。少しずつ指導していけば世界トップに届く可能性があるから」と、新たなチャレンジの場として日本を選択した。先月にはジュニア合宿を実施。将来の日本を背負う選手育成を始めた。 だが、世界も注目する敏腕コーチを日本協会がシドニー五輪に活用しないはずがなかった。4月からは特別コーチの肩書でシドニー五輪の日本男女代表のスタッフに入った。アミジッチ・コーチは「私の現役時には日本は強かった。その国で仕事ができるのは興味深いことだから」と仕事が増えても異論はなかった。 特別コーチとはいえ、シドニー五輪代表を直接指導するわけではない。五輪にも帯同はしない。あくまでも前原正浩・男子監督(45)近藤欣司・女子監督(57)の良き相談役、あるいは参謀としての役目になる。またドイツ・ブンデスリーガで指導していた経歴から、同リーグで活躍していた強豪国のスウェーデンや中国選手の特徴は熟知している。日本代表の「頭脳」としても協力することになる。 アミジッチ氏は卓球一家に生まれ、8歳の時から卓球を始めた。高校卒業と同時にプロ卓球選手となり、ユーゴスラビアの代表として国際大会にも出場。しかし国内制覇をすることができず、自らの才能を見限った。22歳で現役を引退。コーチの勉強のためにザグレブ大学で2年間勉強し、24歳でプロコーチになった。「選手の指導方法は選手の数だけある」との柔軟な考え方も、挫折を知っているからこそ培うことができた。 日本男子は今年3月の世界選手権団体戦で19年ぶりにメダル(銅)を獲得。シドニー五輪では男子ダブルス、女子シングルスを中心に初のメダル獲得の期待が高まる。アミジッチ・コーチは日本卓球界の悲願を支える。【五輪取材班】
(2000年5月12日付) |