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支える人々 テコンドー授業を始めた落合直人氏
五輪の新競技テコンドーを、悩める教育現場に。新潟市の高等専修学校「新潟国際情報学院」の副校長落合直人さん(41)は、全国で初めて学校の体育授業に、武道スポーツの同競技を採り入れた。転編入クラスを対象に17日にスタート、初日は男女16人が参加した。 同学院は本来の実務資格以外に、高校の卒業資格も併せて取得できる技能連携制度を持つ。また高校の中途退学者も募り、昨年から転編入クラスを発足させた。だが生徒たちの中には、万引などの事件を起こしたり、授業をサボる者もいた。1学期早々からトラブルが相次ぎ、近所からのクレームも出た。落合さんは「彼らに最低限のルールと礼儀を教えるとともに、そのエネルギーを正しい方向に導きたい」と考え抜いた末に、テコンドーにたどり着いたという。卒業生が新潟県協会の本部道場に在籍しており、競技の本場韓国の高校とも8年前から姉妹校提携中など、因縁めいたものもあった。五輪の新競技という話題で、生徒の興味もひくことができる。県協会の横野健司理事長(40)に講師を依頼し、快諾を得た。 初日は突き、蹴りの基本練習が中心だったが、茶髪の生徒たちも真剣な表情で説明に聞き入った。「1時限(50分)じゃ短い。もっとやろうよ」「楽しみができた」などの感想をもらした。「あんなに目を輝かせているのを見たのは初めて」と、落合さんは早速手ごたえをつかんだ様子だ。横野理事長も「日本連盟も支援を約束している。今後は全日本選手の招へいなども考えられます」と話す。 毎週水曜日1回ずつの予定だが、将来はクラブ化の可能性もある。生徒たちに目的意識が芽生えそうだ。「まだ試行錯誤の段階ですが、10歳代による大事件が相次ぐ中、苦悩する教育現場に少しでもヒントを残せれば」と落合さん。教育が目的とはいえ、競技の底辺拡大にもつながるはず。この中から、将来の五輪候補が生まれるかもしれない。 もちろんテコンドーに頼るばかりでなく、問題を起こさないよう生徒たちと粘り強く話し合ってもいく。「口だけでは生徒に示しがつかないから」と、落合さん自身もテコンドーを習うという。【五輪取材班】
(2000年5月19日付) |