Sydney2000 cm
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20世紀 有終の祭典 支える人々 水泳・大塚五百紀トレーナー
新記録連発の陰に「香り」あり

 女子競泳陣の快記録連発の裏に、頼れるトレーナーの存在があった。健康施設「メディテルム奥沢」の針きゅうマッサージ師、大塚五百紀(いおき)さん(32)は、田中雅美(21)中村真衣、源純夏(ともに20)ら中大勢のコンディションを整え、シドニー五輪出場を陰で支えた。調整に取り入れた方法の1つは、アロマテラピー(芳香療法)。選手の調子や気分によって、エッセンシャルオイルを自在に使い分け、スポーツマッサージとの相乗効果を促した。

 「香り」だけで勝てたわけではない。ただ、アロマテラピーが彼女たちの心身の支えになったことも事実だった。五輪選考会を兼ねた日本選手権。緊張を強いられる大一番で、中大勢はアロマテラピーを有効に活用した。気持ちが高ぶって眠れない体を、落ち着かせることができた。源はリラックスできる香りのオイルを用いて、筋肉をほぐした。

 結果は最高の形で表れた。3人ともシドニー切符を獲得した。田中は全7レースで日本新を記録。金メダルも視野に入ってきた。中村は50メートル背泳ぎで世界新をマーク。源は100メートル自由形で千葉すずを破り、50メートルで日本新をたたき出した。代表が決まった後、源から大塚さんのもとに電話があった。「いい感じで(体調が)間に合いました」。喜びで声が弾んでいた。

 大塚さんは「大会の1週間前までにみんなの筋肉の最終チェックをしました」と明かした。選手は自費で通って来ていた。それほど、信頼感は厚かった。アロマテラピーはブームになる前から積極的に用いてきた。筋肉の炎症を抑えるハーブ、精神的なリラックス効果を促すラベンダー……。無数のオイルで、アスリートをいやしてきた。プロ野球、巨人のキャンプに臨時で帯同し、競輪選手も診てきた。その経験は、水泳選手にも生かされた。

 残念ながらシドニーに行く予定はない。大会中は、サポーターの1人として、ささやかに選手を応援していくという。その分、自分でオイルを用いてリラックスできるよう指導するつもりだ。「田中さんはアロマテラピーが好きなので、リラックス系のオイルをプレゼントしようと思います」(大塚さん)。においの詰まった小さな瓶が、シドニーで戦うスイマーたちの心の支えになるかもしれない。【五輪取材班】

(2000年5月3日付)

 

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