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シンクロナイズドスイミングの日本代表チームは、デュエット2つ、チーム2つの計4曲に演技を合わせ、シドニー五輪を戦う。チームのフリールーティンで使用している曲「火の鳥」は、現在高校2年生の森岡緋沙子(ひさこ)さん(16)が、中学2年生の時に作った作品が原曲だった。「中学1年の時に手塚治虫さん原作の漫画を読んで、感動したんです。物語の舞台でもある奈良を旅行して、ゆっくりした感じと和風な感じを曲に込めました」。1995年(平7)1月のジュニア・オリジナル・コンサート(ヤマハ音楽教室の生徒による自作自演の演奏会)で発表。曲が持つ壮大なテーマとメロディーの美しさで、観客の感動を呼んだ。 原曲「火の鳥」とシンクロの出合いは、3年10カ月後の98年11月。日本水泳連盟からシンクロの競技用音楽制作の依頼があり、84、88年五輪でデュエットの曲作りに携わった平部力氏(46=ヤマハ音楽振興会)が、「火の鳥」を選んだ。「日本代表の井村コーチから、演技をつくりやすくてストーリー性のある曲を頼まれていました。森岡さんの曲が、シンクロの演技にマッチすると直感しました」。過去にはフィギュアスケートの渡部絵美や伊藤みどりの曲を手掛けた経験が、自信の裏にはあった。 本当の曲作りはこれからだった。原曲に演技を合わせるわけではなく、日本チームの高度な演技力と一致するように、曲を作り替える作業が始まった。このアレンジ(編曲)と呼ばれる仕事を担当したのが、成澤功章(かつとし)氏(32)。テレビ番組のテーマ音楽や映画のサウンドトラックなどを作ってきた成澤氏が、スポーツ音楽の世界に進出した。日本代表チームの合宿に参加、ストップウオッチと五線譜を持ってシンクロの演技を見つめた。 「思い入れを持ってアレンジした部分を、捨てなきゃいけないときがつらかった。原曲の8割は、私が手を入れたことになります」。98年末からデモバージョン(改訂した作品)を11回も作った。今年1月には、4月の五輪予選で披露する曲が完成。「永遠の都」「生命体の進化」「火の鳥の表情、希望」などをイメージした演技と曲が合致した。結果は2位で、ロシアに次ぐ世界NO・2の座を死守した。「五輪はお祭り。観客を沸かせる音楽を作ります」(平部氏)。シンクロ8選手を華麗に見せるために、約5分間の曲に再び手を加える。【五輪取材班】
(2000年5月21日付) |