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20世紀 有終の祭典 新種目に迫る シンクロナイズド・ダイビング(1)
2選手同時に飛び込み同調性競う

 水泳の飛び込みが、ショーとしての地位を確立した。シドニー五輪から正式種目となるシンクロナイズド・ダイビングは、2選手が同時に飛ぶ美しい同調性や迫力で、人気を集めている。五輪でこの競技を演じる日本人選手はいないが、今年8月の日本選手権(東京・辰巳)からは正式種目として採用される。徐々に知名度を上げつつあるこの種目の歴史と魅力などを紹介する。

 シンクロナイズド・ダイビングの迫力は、シドニー五輪組織委員会の幹部も魅了した。同委員会は1998年12月、国際オリンピック委員会(IOC)に嘆願書を提出。その内容は「すでに新種目の申し込み期限を過ぎているが、シンクロナイズド・ダイビングを五輪種目に加えてほしい」というもの。米国ではショーとして行われており、同委員会はテレビ受けを狙って採用を求めたのだ。

 99年3月、シンクロナイズド・ダイビングは、シドニー五輪の正式種目として新たに加わることが決まった。本番のわずか1年半前。五輪憲章では、新種目の承認は4年前に行うことが義務づけられており、異例の措置だった。2人で演技を合わせながら水面へ飛び込み、たとえ失敗演技でも、2人同時に失敗すれば同調性の得点が上がるという意外性。シドニー五輪で注目度が増すことは間違いない。

 90年代初めから、飛び込み選手が練習の合間に挑戦するようになり、国際水泳連盟(FINA)が94年8月、国際大会での導入を決定。95年W杯からエキシビションとして実施されるようになった。日本でも、同年6月の室内競技会で初めて行われた。飛び込みの国内最高峰の大会となる日本選手権では、昨年8月に公開競技として初めて行われた。男女計6組が参加。シドニー五輪代表の寺内健(19=JSS宝塚)と弟の佑(17=同)が息の合った演技を見せ、総得点293・19で1位となった。

 寺内健は演技後「1度も練習してなかったのに、うまくいった。シンクロの方が運があるし、演技がはまれば金メダルが取れる」と強気に語った。担当の馬淵崇英コーチ(36)も「踏み切りの仕方や入水のタイミングが同じだから、印象は悪くない」と好感触を得ていた。10メートル台なら水面まで2秒弱の勝負のため、例えば2人のスタートのタイミングが0秒1単位でずれても修正が難しい。飛び込み王国の中国選手でもピタリと演技を合わせ続けるのは不可能で、偶然に左右される種目といえる。

 日本の飛び込み界の五輪最高成績は36年ベルリン五輪板飛び込みの柴原恒雄の4位。シンクロナイズド・ダイビングなら、日本初のメダルも夢ではないと思われたが、日本水泳連盟の飛込委員会は、あっさりとシンクロ撤退を決めてしまった。【五輪取材班】

 ◆シンクロナイズド・ダイビング 個人種目と同様に、高飛び込みと3メートル板飛び込みの2種目。2人1組の選手が同時に演技を行い、演技の完成度と2人の同調性により順位を決める。得点の割合は技術40%、同調性60%。審判は技術審判4人、同調性審判5人の計9人。個人が良い演技をしても、2人のタイミングが合っていなければ、高得点にはならない。

(2000年4月29日付)

 

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