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新種目に迫る シンクロナイズド・ダイビング(2)
日本水泳連盟の飛込委員会は昨年8月、都内で会合を開き、今年1月にオーストラリア・シドニーで行われるW杯に、寺内健(19=JSS宝塚)と佑(16=同)の兄弟を派遣する意向を固めた。昨年8月の日本選手権のシンクロナイズド・ダイビング種目で、優勝したことが評価された。このW杯はシンクロ種目の五輪予選も兼ねていた。しかし、2カ月後の同年10月には、予選会参加を見送る方針に変わってしまった。 飛込委員会の佐藤幸男委員長は「現在の日本人選手では、世界と対等に戦えるのは寺内健だけ。競泳が選手を絞り込む方針を固めているのに、飛び込みだけが複数の選手を五輪に連れていくわけにはいかない」と話した。個人種目の五輪予選も兼ねた今年1月のW杯には、寺内健しか派遣せず、2人で演じるシンクロ種目の選考会からの撤退が決まった。この種目の性格上、2人が常に一致した演技をするのは難しく、日本人ペアが出場権を取れば、飛び込み界初の金メダルも夢ではなかっただけに、苦渋の決断だった。 しかし、日本の飛び込み界が、シンクロ種目の強化を無視するわけにはいかない。来年7月に福岡で行われる世界選手権では、シンクロが正式種目として採用される。日本は開催国として自動的に出場権を得る。ホストとして、恥ずかしい演技はできない。4月1日に強化部長に就任した末弘昭人氏は「個人種目と同様に、シンクロにも力を入れないと福岡に間に合わない」と話す。シドニー五輪は棄権したが、福岡世界選手権に向けての育成は急務だ。 日本飛び込み界には、兄弟選手が多い。同じ練習場でシンクロの演技を磨くことができれば、世界レベルに達するのは近いかもしれない。兄弟ならではの「あうん」の呼吸も武器になりそうだ。寺内健・佑兄弟は、JSS宝塚で練習している。宮本基一郎・幸太郎、坂田芳寛・和也兄弟も、シンクロでは高いレベルの演技を見せる。 女性ペアで注目をされるのが、宮崎多紀理(日大)大槻枝美(早大)の2人だ。ともに身長153センチ。大槻は元体操選手で、名門・朝日生命に高校1年まで所属した。伸び悩んでいたころ、辰巳の水泳場を通りかかり、飛び込みを見て転向した。宮崎も体操の経験がある。昨年8月の日本選手権では、女子優勝を決めた。シドニーは断念したが、2004年のアテネに向けて、シンクロナイズド・ダイビングの道は確実に開かれつつある。【五輪取材班】
◆今年1月のW杯シンクロ種目成績(上位3チーム) ▽男子3メートル板飛び込み (1)中国(2)オーストラリア(3)メキシコ ▽同高飛び込み (1)中国(2)オーストラリア(3)英国 ▽女子3メートル板飛び込み (1)ロシア(2)中国(3)ウクライナ ▽同高飛び込み (1)中国(2)フランス(3)オーストラリア
(2000年4月30日付) |