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新種目に迫る テコンドー(6)
五輪競技として認められている韓国系のWTFテコンドーと、認められていない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)系とされるITFテコンドー。日本国内でもWTF系列の日本テコンドー連盟(JTF)、ITF系列の日本国際テコンドー協会(JITF)に分かれている。それぞれが日本選手権を開催し、別々に開かれる世界選手権に代表選手を派遣している。 JTFは1981年(昭56)1月、JITFは83年7月にそれぞれ発足。ともに全国規模で道場のネットワークを持ち、双方合わせると会員数は約4000人に達するという。都内の大学チームを例に取ると、日大や大東大はJTF、早大や中大はJITFに所属。JTFは五輪正式競技に選ばれたことを追い風に、日本体育協会の加盟と、日本オリンピック委員会(JOC)の準加盟から正式加盟への昇格を目指している。JITFはテコンドー普及の新たな挑戦として、通信教育制度を導入。指導員が全国を縦断しながら、臨時道場を開いている。 両団体は、役員レベルの情報交換や互いの大会を視察するというような交流は、一切しない。しかし現場レベルでは、壁は低いようだ。JITFで師範を務める黄秀一(ファン・スイル)さんは「JTFの選手の知り合いもいますし、仲はいいですよ。JTFの大会を見に行ったこともありますしね」と話した。将来的には、JTFとJITFが何らかの形で交流する可能性がないわけではない。JTFの円山和則理事長は「お互いにルールを整備して、仲良くやっていけばいいと思う。北朝鮮も韓国も、スポーツの世界は関係ない。両方の選手が同じ大会に出られる場をつくりたい」と展望を話す。JITFの黄進(ファン・ジン)理事長も「ルールなんて固執する必要はない。将来は五輪の選考会だけでも、JITFの選手が出られればいいと思っている」と前向きな考え方を示した。 日本で韓国、北朝鮮、中国、台湾を含めた5カ国対抗戦を行うプランもある。WTFテコンドーとITFテコンドーがルール上、互いに歩み寄れれば、実現できるかもしれない。円山理事長は「韓国と北朝鮮の選手を日本に呼べば、だれも反対できないよ。外務省に働きかける。卓球もやってるんだから」と力説した。【五輪取材班】
◆JTFテコンドーの体協正式加盟の条件 各県協会が各自治体の体協へ加盟することが第一条件。福島県が既に加盟を済ませているが、少なくとも5県の加盟が必要になる。各県の組織が一本化されていることや、広範囲に道場があること、一定の会員数と運営資金の安定などが求められる。体協に加盟し国体参加が実現すれば、JOC正式加盟の道も開けてくる。 (2000年4月6日付) |