|
|
|
|
|
新種目に迫る テコンドー(9)
シドニー五輪に出場する日本の樋口清輝(19=大阪経法大)と岡本依子(28=岡本精工)は現在、韓国の実業団チームで強化合宿をしている。韓国系の家電製品メーカー「サムスン(三星)」のグループ企業、警備会社の「S1コーポレーション」が韓国でトップレベルのチームを持っており、日本の2選手を受け入れている。 日本テコンドー連盟(JTF)の桑田一夫・技術統括本部長は「日本以外のチームも、サムスンのチームで練習したがっているんです。外国人では初めて受け入れてもらいました」と話す。JTFが昨年から在日大韓テコンドー協会との協力態勢を整えたことで、韓国側の支援を受けやすくなった。円山和則理事長の協調路線は、今回の留学をアシストしたことになる。 サムスンの実業団チームは、テニスコートよりも広い練習場、豊富な筋トレマシンを持ち、練習メニューをパソコンで管理。山登りなどの過酷トレも盛り込み、数多くの世界王者を生み出している。日本トップレベルの樋口と岡本にとっては、より強い韓国選手と練習することで、実力を上げる効果もある。 1989、91年世界選手権優勝の金徹豪(キム・チュルホ)コーチは「樋口はまだ若いし五輪でメダルを取れる可能性は高い。高校3年間も韓国に来ているので、今後はもっと強くなるだろう。岡本はもうベテランだけど、筋力があるから期待できる」と2選手を評した。樋口と同じ58キロ級で、昨年の世界選手権優勝の尹鍾一(ユン・ジョンイル=27)は「樋口は高校の時から知っている。この階級は韓国人の代表は出ないから、樋口に金メダルを取ってもらいたい」とエールを送った。 この実業団チームは、男子9選手、女子5選手の構成。国際大会の優勝経験者ばかりで、日ごろの練習も選手の自主性を尊重。コーチ陣も必要なときにしかアドバイスをしない。樋口は「高校の時はうまい人も下手な人もいたけど、このチームはトップ中のトップが集まっている。みんな自己管理ができています」と舌を巻いた。岡本は「チームから与えられる筋トレメニューを少し変えて、負荷を増やそうと思っています」と独自のメニューも模索している。本場韓国での練習は、シドニー五輪でのメダルを手元に引き寄せてくれそうだ。【五輪取材班】
◆韓国がシドニー五輪で出場する階級 男子68キロ級、80キロ超級、女子57キロ、67キロ級の4階級。1カ国4枠が限度なので、それ以外は出場できない。男子58キロ級の樋口が韓国選手と戦うことはないが、女子67キロ級の岡本は対戦する可能性がある。韓国は今月中に3度の五輪選考会を行い、出場選手を決定。金コーチは「うちのチームから2人は代表に選ばれると思う」と自信を見せていた。 (2000年4月11日付) |