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20世紀 有終の祭典 支える人々 「尚子ロード」を作った徳之島の人々
島民3万人が一つになって応援

 鹿児島市の南南西468キロ。横綱朝潮太郎、長寿世界一だった泉重千代さん生誕の地として知られる徳之島(鹿児島県天城町など)が、シドニー五輪女子マラソン代表・高橋尚子(27=積水化学)を支えている。島民の高橋に対する熱狂は日ごとに増すばかり。だれもが金メダル獲得を期待し、その後のプランまで描かれ始めている。

 シドニーで高橋を応援しようと、島内でツアーを組むことが準備されている。天城町の吉岡光一町長は「まだ解決しなければならない問題はありますが、横断幕を作って応援したい。20人くらいで行くつもりです」と前向き。居残り組は、まとまってテレビ観戦する計画が浮上している。

 3月の名古屋国際女子マラソン優勝時には、五輪にちなんで、花火5発が打ち上げられた。防災放送から「高橋尚子選手が優勝しました!」の声が島内に響いた。シドニーで金メダルを取れば、前回を上回る規模の花火が南国の空を彩る予定になっている。放送を担当した「ユイの里テレビ」の高英子(たか・ひでこ)さん(29)は「プレッシャーはかけたくありませんが、また優勝のアナウンスをしてみたい」と期待を込めた。

 練習に集中できることなどから選ばれた徳之島で、高橋が初めて合宿を張ったのは1998年(平10)2月。相性は抜群で、翌月の名古屋国際で初V。今年2月も同地で最終強化合宿を行い、名古屋優勝、五輪代表決定となった。練習中は一般車両も高橋の走りを優先。報道陣への練習公開日には信号のある交差点で警官が交通整理を行った。小出義雄監督(61)は「徳之島の風が足腰の強化に役立った」と説明したこともある。人々の優しさ、抜群の練習環境。勝つための条件が自然にそろっていた。

 高橋も徳之島の人々の期待を意気に感じている。4月28日、トレーニングコースに名付けられた「尚子ロード」の記念碑除幕式に出席するため、多忙な時間を割いて島を訪れた。その夜、約800人が集まった五輪壮行会で「皆さんに背中を押してもらえた。また笑顔で徳之島に帰ってきたい」とがい旋を約束した。吉岡町長と同町観光協会の宮田益明会長(52)は「徳之島にとって歴史の1ページ」と声をそろえた。

 女子マラソンのスタートは日本時間9月24日午前7時。残暑の厳しい徳之島で、島民3万人が温かい目で高橋を見守っている。【五輪取材班】

(2000年5月4日付)

 

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