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支える人々 ヤマハ電動自転車開発チーム
柔道に続き、日本生まれの競技として2つ目の五輪種目となったケイリン。晴れの舞台で、日本製の脇役も五輪デビューすることが決まっている。ケイリンのペーサー(先頭誘導員)が乗るヤマハ発動機製の電動自転車「ケイリンPAS」は、その性能が高く評価されてシドニー五輪での先導役に任命された。 開発を担当したのは、主に同社PAS事業部開発室の榊原俊吉氏(46)をリーダーとする4人のプロジェクトチーム。1997年(平9)3月、日本自転車普及協会などから開発委託を受け、基礎研究に1年、開発に半年を要し、99年5月に発表された。それまでペーサーには伝統的にガソリン式バイク「デルニー」が使われてきた。しかし、騒音と排ガスをなくすため電動自転車が注目されることになった。 市販車とは、パワーが大きく異なる。一般成人の脚力で、時速60キロを維持できる。同社広報部によると「常用速度(約15キロ)の一般自転車より、空気抵抗は16倍。この条件下での性能を満たすために、小型・軽量で高性能なモーターを新開発し、車体の重量バランスを保つこと」が最も苦労した点だという。 実用化されたのは、発表直後の99年5月のW杯から。現在まで世界選手権などでも使用されているが、1度もトラブルはない。仕様の変更もなく、関係者の評判は上々。デルニーのバイク音が消え、「シャー」という独特のケイリン音の迫力が観客に伝わり、イメージアップにも貢献している。 あくまで黒子だが、ケイリンにペーサーは欠かせない。風圧を受ける選手の不利を軽減するため、先頭に立って風よけとなる。スタート地点が時速25キロ、残り2・5周の退避地点では時速45キロ。正確にラップを刻み、レースを演出する。五輪で乗り役が決まっている中野浩一氏(44=日刊スポーツ評論家)は「乗ること自体には、何の問題もない」とマシンに全幅の信頼を寄せている。国産種目「ケイリン」では、選手の数メートル前を走るメードインジャパンの車体にも注目したい。【五輪取材班】 (2000年5月30日付) |