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◆箱根駅伝復路◆


3位日大・清水ツインズ、表裏疾走

<箱根駅伝・復路> ◇3日◇箱根・芦ノ湖〜東京・大手町の5区間、109・2キロ◇出場20チーム

日大・清水将、清水智の兄弟
写真=3位に入り表彰される日大・清水将(左から2人目)清水智(右)の兄弟(撮影・川口晴也)

 双子が古豪を復活させた。往路3位につけた日大は、9区の清水智也(4年)が区間2位タイの力走でチームを引っ張り、前日2区を走った双子の兄将也とともに、主力としての責任を果たした。全区間、安定した走りで1度も順位を変えることなくゴール。昨年10位でシード落ちの悔しさを晴らした。往路優勝の山梨学院大は9区で逆転され、総合2位。中央学院大は10位に入り、4度目の出場で初めてシード権を獲得した。

 これが兄弟でつなぐ、最後のタスキだった。大雪が降り続く9区。弟の智也が飛び出した。前日、往路2区で兄将也が走ったコースの逆を行く。「前半は抑えていけ」と兄。少ない言葉だが、双子の兄弟にはこれで十分だった。胸を張ったピッチ走法は、小気味よい。区間2位タイとなる1時間10分31秒をマーク。昨年1区15位に終わった「過去」に、リベンジを果たした。92年の2位以来の古豪復活の原動力となった。

 22年前、一卵性双生児として生まれた2人。今春から初めて異なる道を進むことを決めた。兄が旭化成。弟が佐川急便。住む場所も宮崎と滋賀に移る。この4年間、陸上の成績は常に兄が先行した。だが01年冬、1度だけ1万メートルで弟智也が勝ったことがあった。わずか4秒。それを境に、兄の目の色は変わった。以降、記録は飛躍的に伸びた。

 兄将也はいう。「双子といっても僕は兄。絶対に負けられないんです」。最大のライバル。旭化成入りを決めたのも、同じ双子の兄で宗茂監督と「同じ感性」からだった。一方、弟智也は自由奔放なタイプ。練習でも、兄がストレッチする時間に後輩を相手に草野球で遊ぶ。「保育園から一緒。そろそろ離れた方がいいっすよ」。性格の違いが将来に変化をもたらした。ごく自然なことだった。

 最後の箱根。4年前、先に進学を決めた弟を追い、社会人に行く予定の兄も日大に。駅伝の名門校で2人で箱根を走るためだった。兄将也は花の2区に登場。序盤に飛ばしすぎ、区間5位は不本意だった。この日の弟智也は、兄の悔しさも晴らす快走を見せた。将也は「双子には、言葉にしなくても分かり合う不思議な部分があるんです。アイツがいなかったら、陸上も続けてなかった」。くっつきすぎず、離れすぎもしない。清水ツインズらしい、兄弟ラストランだった。

 ◆箱根を走った主な双子ランナー 日体大の坂本亘と充兄弟は1978年から3年連続出場、78年は復路6区、8区で起用され区間賞、総合優勝。80年には9区、10区で、兄から弟への直接タスキ渡しが行われ、それぞれ区間賞も獲得し、総合優勝。82年には大東大の大隈重信、広基が復路の8区、9区を走り、重信が区間3位、広基が2位だった。97年に専大の小栗一秀が6区で区間1位、康良が10区で区間13位だった。最近では3年前の00年、関東学院大の武生(たきゅう)健治、康志が往路の4区(11位)、5区(8位)で直接リレーした。

 ◆清水智也(しみず・ともや)1980年(昭和55年)11月12日、兵庫県豊岡市生まれ。五壮小で兄将也より早く陸上を始める。西脇工から日大と兄弟そろって進学。昨年の箱根は1区で15位。1万メートルの自己ベストは28分47秒03。164センチ、52キロ。

 ◆清水将也(しみず・まさや)1980年(昭和55年)11月12日、兵庫県豊岡市生まれ。五壮小で陸上を始め、高校は名門兵庫・西脇工へ。昨年の箱根は4区で2位。1万メートルの自己ベストは28分33秒79。今春から旭化成へ。167センチ、53キロ。

 ◆日大と箱根駅伝 1922年第3回大会から参加し、不出場だったのは3度だけ。35年第16回大会で初優勝を果たし、4連覇した。不参加だった第25回大会を除けば、第12回大会から第56回大会まで常に6位以内に入った実績を持つ。通算優勝12度は、早大と並ぶ2位タイ(最多は14度の中大)。第68回大会の2位を最後に、上位争いからは遠ざかっていた。最後の優勝は第50回大会で低迷が続いていた。

協力大学スポーツ新聞






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