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第78回東京箱根間往復大学駅伝競走:2002年1月2日(往路)3日(復路)

駒大スポーツ
総力取材!チーム密着情報 (駒大スポーツ提供)
(12月25日更新)

「子供たち」の選手が生きがい

<公私にわたる“指導者”大八木弘明コーチ>


大八木コーチの写真

(写真=選手が生きがいと語る大八木コーチ)

※下のリンクをクリックすると、駒大スポーツの小林記者による大八木コーチ紹介のビデオが見られます。


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 「選手があっての指導者だからかわいい子供たちですよ。彼らがいなかったらやっぱり生きがいがなくなるよね」。選手のことを子供たちと呼ぶ。そこには言葉で言い表すことのできない優しさがあった。

 子供の頃は長嶋茂雄にあこがれる野球少年だった。陸上と出会ったのは中学生の時。きっかけは校内マラソン大会だった。その後全国大会で3位に輝いた。大八木コーチは順風満帆な陸上人生を歩むかに見えた。しかし、そこには大きな落とし穴が待っていた。「初めての挫折だったね。そこで俺の人生が大きく変わった」。疲労骨折で高校3年間を棒に振り、家庭の事情で大学進学もあきらめざるを得なかった。その後は小森印刷に就職。仕事が忙しかったため早朝や昼休みを使ってトレーニングを続けた。そして24歳の時、駒大夜間部に通い始める。「箱根を走りたいのもあったけど本当はもっと上を目指したかった」。会社を退職してまで選んだ道だった。平日は川崎市役所に勤めその後練習、授業を受けるといった厳しい毎日。そして第60回、初の箱根駅伝で5区を走り、見事区間賞を獲得する。「自分をアピールするには区間賞を取るしかなかった。学生連中に負けられなかったしね。

 卒業後は大学での活躍が認められコーチ兼選手として実業団ヤクルトへ入部した。しかし95年大八木コーチは低迷の続いていた駒大陸上部のコーチになることを決断する。「最初に話が来た時は悩んだ。家庭もあったからね。だけど母校に恩返しがしたかった。遠回りもしたけど今、自分の好きなことがやれているのは大学4年間のおかげだと思う」。そしてついに駒大は97年、初の箱根復路優勝を成し遂げた。

 「結果を出すことで自信を与えたかった。不安にさせたくなかったし、このチームに優勝っていう2文字を付けてあげないと子供たちが伸びないと思ったんだ」。選手たちに対する情熱の現れだった。最後にこう語った。「選手たちにはやはり強くなってほしい。だけど練習だけではなく、礼儀とかしっかりできる選手に育ってもらいたい」。1月3日、大手町ゴール地点。優勝のゴールテープを切り、抱き合う選手たちがいる。それを笑顔で見つめる大八木コーチの姿が目に浮かんでくる。

(駒大スポーツ・小林哲平)

大八木コーチの“ここがポイント”

 −−4年生は最後ですが

 4年生はまとまっている。今からしっかりやれていて、いい雰囲気になっている。

 −−ライバルは

 順大と山学大。順大は往路がうまくいけば、流れに乗ってくるから、その波に乗せないようにする。山学大は往路が一番怖いと思っている。しっかりついていってくれないとね。

 −−駒大が勝つカギは

 ここまで来たら差はないと思う。ミスをしたり、ブレーキする区間が出ると負けてしまう。だから一区間一区間をしっかりしていきたい。

 −−箱根での対策は?

 区間対策は少しずつ分かってきている。どこがポイントになるか、どこを我慢しなくてはいけないのか。往路はどこも重視してきているから、ウチも差を広げられないようにね。そうであっても層の厚さを利用して復路も重視して逃げ切りたい。(本戦では)1年生も使いたいと思っている。来年にもつながるしね。



 ◆大八木弘明(おおやぎ・ひろあき) 1958年7月30日生 会津工から小森印刷に就職したが、24歳の時に退職して駒大夜間部に入学。箱根駅伝は第60回大会で初めて走り、5区で区間賞を獲得した。卒業後はヤクルトに就職し、コーチ兼選手を務める。95年に母校駒大の指導者となり、97年には初の箱根復路優勝、2000年には初の総合優勝を達成した。


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日刊スポーツ
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