◆平成16年度関東学生春期ホッケーリーグ戦(慶大日吉グラウンド) ▼1位明大 その瞬間、奥田主将(政経4)の目の前がすっと開けた――。決勝戦、延長前半ロスタイムに手にしたゴール前でのセットプレー、明大全員参加の総攻撃に相手DF陣も混乱したのか、敵は全て右サイドに引きつけられていた。左サイドで一人フリーの奥田主将。そこに椙下(農3)から絶妙なアシストパスが送られた。相手GKの動きを冷静に見切り、シュートを放った奥田主将。ボールは吸い込まれるようにしてゴールに突き刺さった。4年目にして初の得点が、優勝を決める殊勲のVゴールだった。 苦しいリーグ戦だった。準決勝・決勝ともに先制され、一時は2点差も付けられる苦しい展開。30度近い炎天下での戦いは、いつ気持ちが切れてもおかしくはない消耗戦だった。しかしそのような状況下でも、「まける気はしなかった」(福井・農4)。相手選手がスタミナ・集中力を時間と共に切らしていくのを横目に、本学イレブンは最後まで自分たちの力を信じ、逆転に逆転を重ねて遂に頂点にまで上り詰めた。 9年ぶりのリーグV。この優勝で大学王座決定戦(6・17〜20 大阪・長居球技場)へのっ進出も果たした。「優勝を狙っていきます」(橋谷・商4)。選手たちのコメントの端々から感じられる今年のチームに対する手応え。関東1位=実質東日本1位という看板を背負って、チームは大阪へ乗り込む。