平成16年度東京六大学野球春季リーグ戦特集

一場特集  一場を訪ねて

 春も間近に迫った2月の半ば、東京を離れ一場靖弘(商4)のふるさとを訪れた。

 群馬県吾妻郡吾妻町―。まだ雪が残る山間部ののどかな小さな町。駅から10分程の場所に一場の実家はあった。家にお邪魔すると、母・京子さんが息子の高校時代からの新聞記事を集めた、スクラップブックを見せてくれた。今は3冊のこのスクラップ。一場の成長とともに、これからも増え続けていくのだろう。

 一場家を離れてしばらく歩くと、母校の太田小学校に到着。そこで、小さい頃に一場に遊んでもらったという片貝将大くんに出会った。「野球をやってるし憧れる」。この野球少年が、一場二世になる日が来るのが楽しみだ。

 小学校を後にし、隣接する太田中学校に向かった。一場の中学時代を知る養護の唐沢美由紀先生は、「一場君の打球が3階までビュンビュン飛んできて、窓を開けて仕事ができなかった」と振り返る。

夕方になり、地元の名産品を販売する小山農園に足を運んだ。一場を良く知る店番のおばあちゃん、小山いよさんは「ヤスさん(一場)小学校低学年の頃から、将来はプロ野球選手になるって言ってたんべ」と語る。話に聴き入っていると、近所に住む黒岩恭子さん、野球好きの父・隆志さんがやってきた。隆志さんは息子の成長を「誇りだよ」と照れくさそうに話す。そこに、一場が所属していた少年野球「太田ジャガース」の竹淵進監督、渡辺充コーチも加わる。自然と膨らんだその輪の中で、少年・一場の話題は尽きなかった。「子どもを通して仲間が増えていく」(隆志さん)。その一言を実感した瞬間だった。

 自然に囲まれたこの町で、「体を動かすことがとにかく好きで、元気に育った」少年は今、日本中が注目する野球選手になろうとしている。この広い大自然のように、一場もどんどん大きくなっていくのだろうか。  


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