速報コーナー 駅伝・競走


箱根駅伝コメント
 
1区篠浦辰徳(人2)
「(スローペースは)やりにくすぎた。速いペースで弱い学校を離すつもりだったのが自然の成り行きでああなってしまった。前に出てはよくないとはわかっていた。最初からとびだせばよかったのだが…経験不足。(スパートにつけなかったが)体がスローペースに慣れていてしまって変えられなかった。タイミングもちょっと早かった。(調子は)自分の中ではいいと思っていた。区間賞をねらえるくらいだと思っていた。箱根の雰囲気に飲まれたとは思わない。さすがに試合前にOBやTV局がきたときには多少緊張したが、極端ではなかったし、落ち着いていた。離されてから粘れなかったのが残念。自分を一から見つめ直すいい機会になった」

2区森村哲(人4)
「昨年の4年生が自分たちがワセダを弱くしたから強くして卒業したいと言っていたのがつっかっかている。自分たちは弱くして卒業するのかと。(選手がそろわず)スタート前から負けていた。(自分は)前半全然体が動かず2年前の再来かと焦った。最後の坂になってやっと動き出して・・・満足してはダメなんだろうけど、最後まとめられたのは成長したかと思う。流れを止めることはできたかもしれないけど、変えることはできなかった。五十嵐がいい走りをしたけど、あの時点ではもう流れを変えるとかの話でなかった。結局慢心があったのかも。緊張感もなかった・・・残念です」

3区杉山一介(人2)
「肉離れから3週間で万全にしたつもりだった。本番でやってやるという気持ちはあったが、心のどこかに不安があったと思う。1,2区が調子よかったので前の方で来ると思っていた。自分はつなげていく役割。流れを大切にしようと思った。前との差があまりなかったので順位を上げていこうかと思ったが、逆に下げてしまい残念。負けたのは練習不足。ケガをするのは実力不足。(来季に向け)陸上にすべてをかける。4年生だけでなく部員全員に迷惑をかけたので恩返しをしたい」

4区大浦周(一文3)
「(4区は)往路を走る予定だった選手がケガをして、自分は調子はよかったが復路を走るだろうと思っていたのでびっくりした。平坦なコースより起伏のあるコースの方が得意なので自信を持っていけた。後方から力のある選手が迫っていたので何とかくらいついていこうと思った。調子は悪くなかったが、はっきりいって歯が立たなかった。もっと粘りたかった。4年生には申し訳ないが、いい経験になった。4区を走って意識が変わった。今までは部内の競争に勝ちたいとばかり思っていたが、他大の選手、大学トップレベルの選手にも勝ちちたいと思うようになった」

5区五十嵐毅(人3)
「(コーチから)信頼されていたので応えられるように体調管理をしっかりとした。(16位できたことは)気持ちが切れたら終わり。キャプテンとしてもしっかり走らなければいけないと思っていた。スタートラインに立ったときから自信はあった。後半しっかりい走ればいけると分かっていたから、上げていく感じで走った。(今季はどんなチームに)昨年は結果を求められる試合で結果を残すことができなかった。夏以降徐々にまとまりをもたせていきたい。箱根でベストパフォーマンスを出せるように。(自分の課題は)箱根でチームを引っ張ること」

6区松村啓輔(人4)
「(走る前は)昨年のことがあったので悔しかったが、やることはやってきたので待ち遠しかった。(実際の走りは)無心で走った。コーチの、苦しみながら楽しめ、という言葉をかみしめた。(チーム全体)往路の関係なく前え前えという気持ちだったのにチームの40パーセントくらいしか力を出せなかった。遠藤コーチには感謝しているが、結果を残せなくて残念だった」

7区高橋耕(人4)
「沿道の人たちが自分の名前を呼んでくれてうれしかった。結果が出なくて申し訳ない。ペース配分を間違えた。(走るの決まったのは)1月1日。急なことではあったが、心構えはずっとできていたので問題なかった。意外とたんたんと、冷静に走れた。(後輩に)レース経験をつまないと本当の意味で強くなれないので、ケガをしないでコンスタントにレースに出てほしい。(4年間)自分の中では箱根までしかなかったので集大成的なものだった。走れてよかった」

8区岡部祐介(人2)
「初めての経験だったし、大舞台にもなれていないこともあって、うまく力を出し切れなかった。調子は悪くなかった。直前に故障したけど完治はしていた。そういう意味では調整は失敗なのかもしれないけど、80%ならその80%を出し切らなくてはいけない。それがうまくできなかった。(コーチからは)アップダウンがきついので後半上がっていくように。9,10区に後藤さん、植竹さんがいたので、前に追いつけば何とかなると思った。全体的に力不足。(チーム結果)悪すぎた。話にならない。2年が勢いをつけて4年生に、というのができなかった。それが大きな原因」

9区後藤信二(理工4)
「悪い気候の影響もあり自分を出し切れなかった。去年より悪かった。前に走る法政にすぐ追い付くはずが、なかなか詰まらずあせってしまった。15位とは非常にショックな結果です。(コーチは)四年生にチームを託していた。四年生の指導力が足りず、信頼に応えられずチームを弱くしてしまったのが残念です。(9区は)三年連続だったので走りやすさはあった。ただ、復路の中心になるはずが、チームの緊張をほぐせない走りになってしまった。(4年間)苦しかったし、悔しかったけど、この先こういうチャンスに出会えるかわからない。この気持ちを忘れずにこの先も生きていきたいですね」

10区植竹誠也(人4)
「話にならない。4年生がチームを引っ張らないといけないのに足を引っ張ってしまった。(調子は)悪くはなかった。実力不足。このレースを「運が悪かった」という言葉で済ますつもりはない。やってきたことが悪かったというか。 結果がシビアに求められる世界に身をおいた以上は、結果を求めたかった。でも出なかったということは、やってきたことが悪かったのかな。 『終わりよければ全てよし』といいますが、自分の4年間が何だったんだろう、と思ってしまう。(後輩に)うれしくない手みやげを残してしまって。俺達は情けない先輩だったけど。精神的にもたくましい先輩で卒業したかったな」


相楽豊主将(人4)
「戦う力を持ったチームではなかったということ。大会直前までは精一杯やったつもりだけど。そのうえでのこの結果だから・・・悔しい。(チームの自信はあったか)やっぱりやる以上それなりには。やれることは精一杯やってきたつもりだし。それでこの結果だから。言葉がないです。(欠場は)左足のハムストリングスの故障。そこをかばいながら練習してたらほかの部分までおかしくなりだした。欠場は12月28日に決まった。(1年間主将やって)全員が同じ目標に向かって頑張ってこれたと思う。戦う集団ではあったが、甘さ、まだ足りない部分があった。それが今回の結果に繋がったんだと思う。自分は姿勢で引っ張っていくタイプ。前半は自分でもいい感じだったし、チームもそれなりの結果が出ていた。夏合宿後、自分の調子をくずしてからはチームにも迷惑をかけてしまった」

中尾栄二(人4)
「(振り返って)悔いは正直残る。でも自分が出れなかった分ほかの選手が力をチャンと出した。まとまって駅伝に取り組めたし、(出た選手を)評価してあげたい。(後輩に)不良債権みたいなものを残してしまって申し訳ない。でも昨年予選会からでたときのように、山あり谷ありって事を再確認というか、見つめなおしてほしい。(4年間振り返り)中学のときからワセダというものに憧れていた。そのワセダに入って、箱根駅伝も出れて、夢が叶ったって感じ。小中高大と学生生活はあるが、いい仲間にも恵まれて、一番充実したものだった」

空山隆児(人2)
「ケガから回復しきれなく、10人のうちに入れる走りができなかった。何もできないはがゆさがあった。応援していても、心ここにあらずといった感じだった。咋年は走れた試合と走れない試合の差があった。今年はコンスタントに走れるようにしたい。ユニバーシアードにも出場したい」

原英嗣(人1)
「直前に足がいたいとかいう選手が増えてチーム全員がまずいなと感じた。自分にはチャンスが来るかなと思った。調子は万全だった。いい状態で箱根を迎えた。正直走りたかった。(来季)練習から誰にも負けないように。チームの主力になって来年箱根を往路で走ってみたい」

高岡弘(人1)
「自分はエントリーされても選手として出させてもらえなかった。まだチームからも信頼されていない。チームに貢献できなかった。(結果は)チーム全体の責任だと思う。(20`は)不安もなくなった。トライアルで62分ちょうどで走れていた。走りたかった。(来季)今年のことを忘れるのではなく、胸に刻んで、チームに貢献したい」

 ※本紙1月号記事、表中で岡部選手の名前が裕介とありますが、祐介の間違いです。深くお詫びいたします。

箱根駅伝
◆無念の15位 シード権獲得ならず
 第79回東京箱根間往復大学駅伝競走 (1月2・3日 東京・大手町〜神奈川・箱根町)

 1区篠浦から大きく出遅れた。そのまま最後まで見せ場を作ることはできなかった。
 苦しい戦いだった。中尾栄二、相楽豊(ともに人4)に加え、当日変更で空山隆児(人2)までもを欠いた。主力の相次ぐ欠場。調整力を売りにする早大には珍しい光景だった。

 1区を任されたのは篠浦。今季一番の成長株にして、期待も大きかった。直前では2区もあるという話も出たほどだ。しかし終盤のペースアップについていくことができず、3番目に集団から離されてしまう。何とか一人かわしたものの区間17位というまさかの立ち上がりになってしまった。

 2区森村も序盤思うように体が動かず苦戦。終盤盛り返し8人を抜いたが、期待された1,2区を終えて9位。先頭からも大きく遅れ、優勝争いからは完全に脱落した。その後も勢いは戻らない。3区杉山は区間18位。今季の結果からすれば信じられない成績に終わった。駅伝初出場となった大浦も区間16位と振るわず、往路にして早くもシード落ちの危機に立たされてしまった。
 しかし5区五十嵐が快走を見せる。3年連続の山上り。落ち着いたペースではいると後半確実に上げていき、10位でゴール。復路に望みをつないだ。

 シード確保に向け、さらに上の順位へ向け走り出した早大。6区松村が区間9位とまずまずの順位で山を下ったが、7区高橋、8区岡部がともに区間19位に沈んだ。復路は未経験者が多かっただけに、やはりもう少し上の順位で渡せなかったことが悔やまれる結果となった。
 最後の望みであった、9区後藤、10区植竹の経験者である両4年生も思うような走りをすることができず、15位。シード落ち。現実は苦しいものとなった。

 決して弱いチームではなかった。昨年と比較しても劣らない、そんなチームだった。実力高い4年生と成長著しい2年生。今季成長した五十嵐を中心とする3年生に、秋以降は原英嗣(人1)はじめ1年生も戦力になり始めていた。しかし最後は箱根にあわせる調整と駅伝における流れの前に完全に沈黙してしまった。
厳しい結果なのは選手たち自身がよく分かっている。大手町は涙に染まった。この涙を無駄にしないためにも、4年生の無念さを無駄にしないためにも、来季以降の躍進と、真の早大復活を期待したい。

★往路成績(上段は個人順位とタイム、下段は総合順位とタイム)
1区
(21.3km)
2区
(23.0km)
3区
(21.3km)
4区
(20.9km)
5区
(20.7km)
篠浦辰徳(人2)森村哲(人4)杉山一介(人2)大浦周(一文3)五十嵐毅(人3)
(17)1:05:16(9)1:09:36(18)1:06:21(16)1:05:17(3)1:12:20
(16)1:05:16〔9〕2:14:52〔13〕3:21:13〔16〕4:26:30〔10〕5:38:50

★復路成績(中段は復路順位とタイム、下段は総合順位とタイム)
6区
(20.7km)
7区
(21.2km)
8区
(21.3km)
9区
(23.0km)
10区
(23.0km)
松村啓輔(人4)高橋耕(人4)岡部祐介(人2)後藤信二(理工4)植竹誠也(人4)
(9)1:01:36(19)1:08:05(19)1:08:54(9)1:11:09(18)1:14:08
(9)1:01:36〔17〕2:09:41〔17〕3:18:35〔16〕4:29:44〔16〕5:43:52
〔10〕6:40:26〔15〕7:48:31〔15〕8:57:25〔14〕10:08:34〔15〕11:22:42


箱根駅伝区間エントリー発表
◆中尾、相楽外れる 2区森村、空山は7区に
 区間エントリー
1区篠浦
 2区森村 3区高岡 4区大浦  5区五十嵐
6区松村 7区空山 8区岡部 9区後藤 10区伊内
補欠 植竹 高橋 杉山 原

変更ルール
 
補欠からの変更は当日可能。箱根はケガ、病気等の理由がなくても変更できるため、戦略で有力選手を外す場合も多い。
 1区篠浦を2区へ、などの変更は不可能。往路外れた選手を復路に配置することも不可。つまり補欠4人からの変更しか認められない。
 (例)
  植竹を1区に、篠浦走らず  ×1区篠浦を2区へ、森村走らず
展望
 
早大は14人のメンバーから、中尾、相楽の主力二人が外れた(補欠からも)。つまり二人が走ることはなくなったわけで、厳しい状況に立たされたと言える。順当にいけば中尾は1区、相楽6区が予想されていただけに、それをどうカバーするかが焦点になる。

 補欠で走ることが確実視されるのは杉山、植竹の二人。区間に入っている選手の調子を見つつ、3区、4区、10区あたりからの変更になるだろうか。原も走るチャンスはありそうだ。しかし気になるのは空山。主力二人がメンバーから外れた時点で余裕のないことは分かっているはずだが、比較的楽な7区に配置された。早大は過去を例にとっても主力で不調の選手を7区に置くことが多い。前々回は佐藤敦之が7区に配置され当日変更された。空山がどのような状態なのか現時点ではわからないが、往路に置けなかったことで万全でない可能性は否定できない。

 1区には成長株の篠浦を起用。2区にはエース・森村を配した。ここまでで先頭に近い位置で行かない限り、相当厳しい戦いになるだろう。松村は前回最後まで相楽と6区を争っただけに期待したいところ。9区には3年連続で後藤。ここでの走りが総合順位にも影響しそうなだけに重要となるだろう。

箱根駅伝展望
◆悲願の優勝へ
 エントリーメンバー
 相楽 豊  人4   福島・安積
 伊内 啓  理工4  静岡・浜松北
 植竹誠也  人4   静岡・伊豆中央
 後藤信二  理工4  愛知・豊橋東
 高橋 耕  人4   福岡・宗像
 中尾栄二  人4   兵庫・西脇工
 松村啓輔  人4   東京・早実
 森村 哲  人4   富山・富山中部
 五十嵐毅  人3   山形・山形中央
 大浦 周  一文3  宮城・仙台三
 岡部祐介  人2   茨城・日立一
 篠浦辰徳  人2   愛媛・松山北
 杉山一介  人2   静岡・藤枝明誠
 空山隆児  人2   広島・世羅
 高岡 弘  人1   埼玉・川越
 原  英嗣 人1   兵庫・加古川東

展望
 
エントリー16人は順当。主力が外れることなくメンバー選考できたことで、第一関門は突破したといっていいだろう。今季の早大は4年生が8人と、エントリー半数を占めた。毎年4年生の活躍が目立つチームなだけに楽しみなところだ。成長著しい2年生の押し上げも充実し、力がかみ合えば優勝争いに加われるだけの戦力は整っている。

1区

 ここ数年スローペースで推移していくことが多い。ただし出遅れも許されない重要区間であることには変わりなく、各校とも主力を配置してくる。早大は中尾が前回経験している。区間9位ながら先頭と15秒差。役割は果たしたと言える。中尾は集団走のうまさには高校時代から定評があり、1区で持ち味が出る選手だ。中尾以外に考えられるのは篠浦杉山。ともに今季成長し、スピードタイプの好選手だ。実力では篠浦が少し上か。杉山は中盤遅れるレースが目立つだけに、やや不安はある。
2区
 花の2区は森村が第一候補。チーム唯一の28分台に加え、2年前の経験もある。全日本では果敢に集団を引っ張るなど、積極性も出てきた。毎年4年生の力走が目立つ2区だけに森村にかかる期待も大きいだろう。本人はこだわりはなさそうだが、実力的には申し分ない。森村でなければやはり空山か。ただし秋以降不振続きなのは気にかかる。関東インカレで見せた走りが戻れば、好結果も期待できる。あとは調子次第だろうが、早大は上級生に2区を走らせる傾向は強い。文句なしに空山、というくらい状態が良くなければ森村起用は揺るがないだろう。
3区
 一般的にはつなぎの区間であるが、ここで主力を配し流れをつかむのも戦術の一つ。早大はその際たる例だ。前回は森村の快走に沸いたが、その再現を期待したい。候補は他区間の兼ね合いもあるが、篠浦空山あたりか。2区に森村を配さなければ森村も十分ある。力のある選手を置き、区間賞、さらには区間新を狙いたいところだ。
4区
 準エース区間。過酷なコースである山へいい形でつなげるためにも重要になる。ここは空山が有力。もちろん2区空山なら森村もある。一番の成長株である篠浦を配するのも面白そうだ。前3区間のメンバーからいって好位置でくる可能性は高い。勢いを殺さず一気に流れを早大のものにしたい。
5区
 3年連続で五十嵐が最有力だろう。出雲では5人抜き、全日本ではエース区間4区を任されるなど柱に成長した。なんといってもその経験は大きな武器だ。前回は調子が悪い中7位。今回は区間3位以内も視野に入るだろう。五十嵐が平地区間へ回ることも考えられるが、その場合やや5区が手薄な気もする。相楽は経験者だが6区の方が期待できる選手だ。力をつけた五十嵐が妥当なところだろう。
6区
 最大の鬼門は今年は期待できそうだ。相楽は前回早大記録を更新。今季は主将としてチームを牽引した。前回タイムは61分。調子次第では60分切りも夢でない。どちらにしても60分半前後ではまとめてこれそうで、62分台が当たり前だったここ数年を考えればかなりのプラス要素だ。前回相楽と争った松村もいるので層という意味でも問題ない。
7区
 コースは楽だが優勝を目指す上では軽視できない区間。前回の空山のような快走を期待したい。往路の候補から走らなかった選手が回ることが考えられる。杉山中尾篠浦あたりだろう。積極的な走りができれば区間賞もみえてくる区間だ。
8区
 この区間あたりから一人でも走れるスタミナタイプの選手が本領を発揮する。10人の当落線上の選手がしのぎを削り争うものと考えられる。植竹は8区か10区のどちらかの起用が濃厚だが、それ以外は横一線だろう。タイム的には岡部松村あたり。全日本で起用されたもありうる。さらには4年生パワー炸裂を期待して、伊内高橋。急成長の大浦。1年の高岡も距離に不安がなくなれば考えられる。いずれにしても選手層と言う意味ではこの区間が最も重要かつ優勝争いにも大きく影響が出そうである。ここで踏ん張れるかが勝負の分かれ目だ。
9区
 復路のエース区間は文句なしで後藤だろう。2年連続で経験しており、実力もチームトップレベル。今回は区間賞を狙う走りを見せてほしい。大崩れがなく、堅実な走りがウリなだけに、必ず快走してくれるだろう。つまり8区まで先頭でつなげれば優勝が見えてくる。遅れてきても巻き返す力はある。
10区
 部員全員の想いを乗せていよいよラスト区間。鈴木、櫻井と2年連続区間新を出すなど早大の相性は抜群だ。その伝統を受け継ぎ4年生の起用が濃厚。植竹がやはり一番手だろうが、松村はじめ長い距離に強い4年生が多いだけに最後までメンバー争いは加熱するだろう。ぜひ3年連続区間新で最後を飾ってほしい。


府中ハーフ
◆篠浦10位 岡部が台頭 
 第25回府中多摩川マラソン (11月23日 東京・府中市民健康センター)
 
1週間前に箱根へ向けての追い込み練習を行い、疲労が抜けきれない状態で挑んだ今大会であったが、篠浦辰徳(人2)、森村哲(人4)、植竹誠也(人4)、岡部祐介(人2)の4人が1時間4分台のまずまずの走りを見せた。
  レースは10`過ぎまで集団で展開。レース前に遠藤司コーチ(昭60教卒)から「15`までは抑えて、残り5`で勝負」と言われた篠浦と森村は終始先頭集団に付いてレースを進めた。しかし15`手前で急激に上がったペースに付くことができず、結局、篠浦が10位、森村が15位のゴールとなった。
 森村にとっては練習の一環の意味合いもあったが、一方「3分台前半の記録と順位を狙っていった」と言う篠浦にとっては物足りない結果となった。
  また箱根のメンバー選考と言う意味では岡部の走りが印象的だった。15`手前まで先頭集団につく走りを展開。最後は遅れたが、1時間5分を切るという目標も達成し、メンバー入りを大いにアピールした。
 最後の前哨戦となる今大会。タイム的にはまずまずの走りだったが、残り5`で他大に力の差を見せつけられ、課題も残した。

 記録 ハーフマラソン I篠浦1時間4分0秒 N森村1時間4分15秒 S植竹1時間4分38秒 26位岡部1時間4分56秒
チーム3番手でゴールする植竹

コメント

☆篠浦
「今シーズン初ハーフだし、箱根の1ヶ月前だから最初から最後まできっちり自分の走りをしようと記録も順位も狙っていった。自己記録は更新したが、63分前半を狙っていったので、不満は残る。ラスト5`が思ったほど伸びなかった」
☆森村
「全日本後に追い込んだ練習をやってきて、今日はとりあえず21`走るという気持ちで挑んだ。決して勝負をしなかったわけではないが・・・。(今日は)自分の走りとしては悪くない。コーチから15`まで抑えて残り5`で勝負といわれていたが、15`手前で離されてそのままになってしまった」
☆植竹
「練習を維持していて80%の出来だっただけにまだまだのでき。ここ2ヶ月で軌道に乗ってきたが、基礎的な土台が出来ていないもろさが出た。(レースは)後半15`からの切り替えが出来なかった」
☆岡部
「64分台を狙っていったので、目標はクリアしたが、レースとしてはダメでした。15`手前でペースをあげられたら付いていけなかった。(箱根に向けて)これからだと思うし、まだまだやれると思っています」


全日本大学駅伝
◆2年連続6位でシード確保
 第34回全日本大学駅伝 (11月3日 愛知・熱田神宮〜三重・伊勢神宮
 1区に森村、2区に空山と主力を前半に投入した今回の早大。森村が一時先頭を引っ張る果敢な走りで、先頭から7秒差という好位置でつないだが、2区空山が出雲同様流れに乗れず順位を落とす。その後も3区篠浦が順位を上げるが4区五十嵐が下げるといった流れに乗れない展開。最終区後藤がラストスパートで中大を振り切りシード権は確保したが、物足りない結果となった。

 今回の早大は中尾も復帰しベストオーダー。今回は各校とも主力を欠くチームが多いだけに優勝争いに絡まなくて名いけなかった。1区森村の走りでいい流れができたかに見えたが、出雲同様チーム全体として本来の力を発揮できず流れに乗り切れなかった。箱根に向けて不安は大きい。
 ただ全体的に上り調子になってきたのも事実だ。空山も出雲に比べればよくなった。箱根までには調子を戻してこれそうだ。また篠浦、杉山の両2年生もそれぞれ区間5位、4位と好成績を残した。二人は今年の箱根を走っていないだけに、前回の箱根メンバーにプラスして計算できる戦力が整ってきている。 
  

中大をかわし6位でゴールに向かう後藤
 チームの能力としては昨年と劣るとは思えない。遠藤コーチの「持っている力を出し切れていない」という指摘通り、力はあるが、ちぐはぐになってしまっているのが現状だろう。あとは全員が調子を合わせて箱根に挑むことが重要になる。早大は4年生が大活躍する傾向にあるので、今回走った森村、中尾、後藤に加え、箱根では相楽豊(人4)、植竹誠也(人4)らの奮起に期待したい。 
 
区間成績(上段が区間順位とタイム。下段が総合順位とタイム)
1区
(14.6km)
2区
(13.2km)
3区
(9.5km)
4区
(14.0km)
5区
(11.6km)
6区
(12.3km)
7区
(11.9km)
8区
(19.7km)
森村哲 (人4)空山隆児(人2)篠浦辰徳(人2)五十嵐毅(人3)杉山一介(人2)中尾栄二(人4)原英嗣(人1)後藤信二(理工4)
(6)43:34(10)39:28(5)28:46(7)42:38(4)35:47(5)37:14(11)36:52(7)59:25
〔7〕1:23:02〔4〕1:51:48〔5〕2:34:26〔4〕3:10:13〔5〕3:47:27〔7〕4:24:19〔6〕5:23:44
記者の目から  〜乱せ! 篠浦 〜

 ワセダ長距離陣の2年生といわれて、皆さんは誰を思い浮かべるだろう。多くの方の頭には、おそらく空山隆児の名前が浮かぶはずだ。それもそのはず、空山は今年の箱根駅伝で1年生にしていきなり7区区間賞の走りを見せ、衝撃的な箱根デビューを飾ると、5月に行われた関東インカレでは五千メートルで、圧倒的なスピードを誇るカリウキ(山梨学院大)を破り優勝するなど、大活躍を見せてきたからだ。だが夏の合宿で調子を崩した空山は、10月の出雲駅伝は区間12位、11月の伊勢駅伝では区間10位と落ち込み、大ブレーキとなってしまった。

 
その一方で、同じく2年生ながら今シーズンの駅伝で、空山とは対称的に好成績を収めている男がいる。篠浦辰徳である。高校陸上界では無名といえる松山北高校に在学していた篠浦は、国体・総体で三千b障害2位に輝き、同種目高校歴代8位の記録をひっさげ、エンジのタスキを夢にワセダに入学した。

  だが、昨年は層の厚いワセダ長距離陣の主力メンバーに食い込めず、箱根にも落選。区間賞で一躍脚光を浴びた空山の陰に隠れ、苦汁をなめた。そして迎えた今季は、「空山には負けたくない」との思いを胸に、数多くの大会に精力的に参加し、経験を積み、めきめきと頭角を現す。中でも9月に行われた早慶戦では五千bで空山と最後までデッドヒートを繰り広げ、惜しくも1秒差で敗れたものの、五十嵐、森村、後藤などの先輩陣に勝利、駅伝シーズンに向けて大きな手応えを感じさせた。篠浦本人も、あとからこのレースを振り返り、「あの調子で来ていれば・・・」と口にするほどの好調ぶりだった。

 
早慶戦の1週間後に行われた日体大記録会でも1万b自己ベストを更新する走りで、出場した選手では森村に次ぐ2位の記録を出すなど、絶好調で迎えるはずだった10月の出雲駅伝、その1週間前にアクシデントが篠浦を襲った。左足のケガだ。

  必死のリハビリで本番3日前にようやくメドがたち、予定されていた1区からは外れ、5区での出場となった。十分な練習を積めなかったにもかかわらず、結果は区間4位。悪いなかでもそれなりの走りができたことは、篠浦にとって自信となったはずだ。試合後のインタビューで「ケガさえなければ1区の区間賞も狙えたのに・・・」と唇を噛んだ篠浦。悔しさの奥に自信がのぞいていた。

 
そして続く伊勢駅伝では、全区間中最も短く、スピードを要求される3区を走り、「まだピークの半分くらい」ながら、3人を抜き去る快走を見せる。結果は区間4位、2区でブレーキとなった空山の分をしっかりと補う走りだった。試合後は「空山がミスったので、自分が流れを変えてやろうと思って走った」と話すなど、頼もしいセリフが聞かれ、自信は「やれる」という確信に変わりつつある。

 
「ライバルは」と聞くと、篠浦は「同じ学年の奴には負けたくない」と言う。なんといっても自信となっているのはそのスピード。伊勢でも「先にしかけて」レース終盤のデッドヒートを制するなど、「しかけられてもしかけ返す」と言い切るほどの実力がある。 部内でのスピード練習では、ペースを無視して走り回るその姿から、ついたあだ名は「乱し屋」。まさに走る男としての本能をむき出しにして駈けるのが篠浦なのだ。

  憧れの箱根駅伝ではどんなレースをみせるのか。「他大の選手についていかず、自分が前に行く」と意気込む篠浦。「乱し屋」篠浦が箱根路を自慢のスピードで縦横無尽に駆け抜け、また新たなスターとして脚光を浴びる日が、もうすぐ、やってくる。(文 佐藤峻)
 
コメント
☆森村
「先頭との差を考えてチームとして最低限の流れは作れた。その意味では満足できる。ただ区間賞を狙ってて、取りにいってとれなかった。それがすごい悔しい。予定通りの地点でスパートした。一度は離したがまた追い付かれた。まだまだ自分の力不足。そこが理想と現実の差です。1万b28分台の選手としては多いに物足りない。他大のチーム編成をみて、優勝を狙えると思っていた。それがシード権争いで最後までドキドキすることになるとは…不本意だし物足りない」
☆空山
「出雲が終わってから3週間しかたっておらず、やっぱりまだ本調子ではない。上り調子ではあるけど、まだ高いところまできていない。出雲より結果がよかったが、根本的にスタミナ不足。練習量が足らない上に、気持ちもどこか抜けている。練習ではある程度のものができていたが、レースではそれとイコールのものができていない」

☆篠浦
「出雲は故障明けすぐのレースで調子は最低だったが、3週間でなんとかピークの真ん中あたりまではあげられた。レース終盤のスパート勝負では自分からしかけた。スピードには自信がある。これからもどんどん長い距離が走れるようになりたいし、積極的な走りをしたいですね」

☆五十嵐
「試合前の調子からするとよくなかった。向かい風は気にならなかったが、前半から上げていけなかったのがダメだった。いい流れをつくりたかった。やっぱり原田さん(昨年4区区間賞、区間新)のすごさが身にしみた。(チームは)総合では力があると思う。ただ昨年は原田さんがそうだったが、流れを変えられる人がいない。どの区間もそつなく走れるのが長所だが、一度悪い流れになってしまうとそれを変えられる選手がいない。みんながそれをできるようになれば・・・」
杉山
「前のほうで、タスキを渡せたのは良かったけれど、前との差があいて、後ろとの差がつまったので満足はしてない。貯金をためるのが自分の役割だと思っていた。だから貯金がためられなかったから、残念。(箱根は)自分の力で優勝したと言えるようにがんばりたい」

☆中尾
「夏合宿から調子そ崩していたんだけど、やっと走れるようになってきた。ラスト4`がきつくなった。力不足、上げていけなかった。(高島平は)ペース走でなかなかいい感じで走れたので、今日も同じ感じで走ろうと思っていたんだけど・・・。今はまだ元に戻す練習をしていて、まだ戻っていない。不安があった」

「選手に指名されたのは2日前。選ばれるかはわからなかったが、気持ちだけは切らさないようにしていたので、指名されたときは意外には思わなかった。積極的なレースができなかったのは残念だったし、自分の力のなさと精神力の弱さがわかった。今の実力ではぜんぜん話にならないと思うので伊勢でよく走れなかった分も、自分の力を伸ばしてだれにも負けない選手になりたい」
後藤
狙いとしては中大に追いついて、二人で東洋まで追いついてシード争いをしたかった。(残り)700bくらいでスパートした。長くて不安もあったけど400bくらいだと池田くん(中大)もくると思ったのでいってしまおうと。(今季好調だが)4年の責任感です。最後だっていう気持ちがある。今日も池田くんに負けてたらすごい後悔したと思う。(チームは)高岡、原以外にも望みあるやつが多い。自分も無名から上がってきたので期待している」
☆遠藤司コーチ
「最低目標はシード確保だったんで最低限のことはできたんだけど。全体的に力を出し切れていない。3番争いくらいしたかったけど、中盤から後ろの集団に入ってしまった。篠浦はよかった。多少は収穫かな。(空山)調子が悪いというわけではない。トレーニングでも前に出ているし。夏合宿が悪くて、出雲が悪くてという中で、焦ってしまってずれてしまっている。(中尾復帰)まだ7,8割。体が重いと言っていたし。ただ一つレースをするとさっぱりすると思う」

全日本大学駅伝展望
◆駅伝第2戦 箱根に向け上昇なるか
 第34回全日本大学駅伝 (11月3日 愛知・熱田神宮〜三重・伊勢神宮)
 出雲駅伝では7位と今ひとつ流れに乗れなかった早大。出雲から距離も長くなる今回の全日本では、巻き返しを図り、箱根に向けて上昇気流に乗りたいところだ。

 前回の出雲で振るわなかった空山、森村が復調してくれば上位進出は十分可能だ。それに加え、今回は中尾の復帰も確実視されている。いよいよエース級のランナーが全員そろってきた。それだけに早大の実力を本当の意味で試される大会になるだろう。この3人の出来が勝負を大きく左右しそうだ。

 主要区間は1区、2区、4区、8区の四つの区間。ここに上記の3人を含めた実力者を配置するのが理想だが、大きなレースという意味では復帰初戦となる中尾を比較的楽な区間に置くことも考えられる。空山にしてもどこまで調子を取り戻しているかで、つなぎの区間に回ることもあるだろう。1区は出雲でまずまずの走りを見せた杉山かケガがなければ1区だったという篠浦のどちらかだろう。最終8区は森村か、長い距離に強く、今季好調の後藤が有力だ。

 昨年の早大は3区に新井広憲(平14人卒、昨年度駅伝主将、現中国電力)を、4区にエース・原田正彦(同、現ヱスビー食品)を配し、一気に流れをつかんだ。今年も前半重視の作戦を取る可能性もある。コーチの手腕も注目だ。


記者の目から  〜中尾栄二 復帰初戦〜

 
今回の全日本、中尾栄二(人4)の復帰が濃厚だ。昨季は箱根駅伝予選会ではチーム3位の好走。本戦では1区を走り区間9位ながら先頭とわずか15秒差でつなぎ、流れをつくった。今季は主力の一人として期待されていたが、ケガの影響などもあり大きな大会には一度も出場できなかった。それだけに私たち見る側の人間も期待を抱かずにはいられない。

 先日行われた高島平ロードレース、20`に中尾は練習の一環として出場した。徐々にペースを上げていくビルドアップ走であり、好タイムを狙うものではなかったが、中尾の走りに充実感のようなものを感じた。崩れることのない綺麗なフォームで最後はチームメートを笑顔で励ますシーンも見られた。やはり早大が優勝争いに絡んでいくには中尾の力が必要だ。

 チームメートの中にいる時、中尾の笑顔をよく目にする。チームの中ではムードメーカー的な役割も担っているのだろう。しかし練習はまた別の表情をみせているようだ。夏合宿について遠藤司コーチは「彼(中尾)は本当にすごい、練習をやっていた」と振り返った。そんな中尾の姿は下級生はもちろん、同学年にも好影響を及ぼしていることは間違いない。今回中尾が好走すれば、チームはまた一段と盛り上がるだろう。

 関東インカレを制した空山、一万b28分台を出した森村と、結果を残したチームメートの一方で、出遅れた感はあるかもしれない。しかしまだまだ勝負はここから。ここまで温存してきた分、全日本、箱根と大爆発を見せてほしい。(文 大塚)



日本選手権リレー
◆男子四百bリレー無敵の6連覇! 
 第86回日本選手権リレー (10月27日 神奈川・横浜国際総合競技場)
 快晴の青に包まれた横浜で、ワセダのプライドと実業団のプライドが見事すぎるほどに衝突した。スタートから吹き始めたふたつの風のデッドヒートは、ゴールの白線を越えるまで止むことはなかった。

 1走安川嘉亮(人4)は「えんじを着て走るのは最後」という思いを胸に、日本代表にもなるほどの選手とほぼ互角に渡り合った。内側を走る富士通チームも思うように差を縮められない。バトンは2走北村和也(人2)へ。
 北村の相手も日本選手権二百b2位の実力者。しかし安川からうまくスピードを受け継いだ北村は、差を縮めさせない。視界の先には仲間であり、ライバルでもある大前祐介(人2)が待っている。バトンを渡し終えた北村は20秒後の自分たちの勝利を信じて、大前の跡をゆっくり走っていた。
6連覇を飾った男子四百bリレーメンバー
 3走の大前は内側を走る富士通の選手と並んでコーナーを走っている。約1.25b外側を走っているのだが、そんなことは関係ないとばかりに。「3走の仕事はトップでアンカーにつなげること」という言葉通りに有言実行。最終ランナーの穴井伸也(人3)が0コンマ何秒かの差ではあったが、1番最初にバトンを手にした。穴井が直線に入ったとき、富士通の選手はすぐ横にいた。バトンパスに少し差がでたのだろうか、とにかく食いつかれた。一時富士通のほうが前に出たようなときもあったが、残り40bあたりから穴井の体が飛ぶように一歩、前に出た。このリードを守り、最後はバトンを持った手を高々と掲げたのを合図に、大記録は打ち立てられた。

 『6連覇』、この快挙に言葉をつけても枚挙に遑がない。実業団とは違い、学生は数年もすればガラリと顔触れが変わってしまう。4年生の安川でさえ、連勝街道の入り口には居合わせていないのだ。何故の強さなのか。努力、走力、気力を継承する伝統がエンジの風の源泉になっていることは、間違いなさそうだ。


記録 四百bリレー  @早大(安川、北村、大前、穴井)39秒31
    千六百bリレー E早大(菊池潤=人1、佐藤真太郎=人4、大前、田野淳=人3)3分9秒91

 
コメント
☆安川
「今日がエンジを着て走るのは最後でした。今回初めて(この大会に)出場したんですけど、今日の優勝で有終の美を『飾らせてもらいました』。穴井(4走)がおいしいとこもってきましたね(笑)」
☆北村
「今日はバトンが完璧にできました。良かったと思います。(来年も)連覇を延ばす自信はあります。リレーでは来年1回も負けないように頑張ります」

☆大前
「今日の勝ちは来年につながるのでうれしい。何番でもらってもトップで渡す自信があった。渡したときは不安だったけど、(アンカーが)50bくらい走ったところで勝利を確信してガッツポーズしましたね」

☆穴井
「前に走る3人を信じてトップでくると思ってた。かわいがってくれた先輩が思い浮かんできて、連覇を途切れさせるわけにはいかない、負けられないと思った。並んだ時に冷静でいられたのが良かったですね。意地で走りました」
大沢コーチ
「最後は久しぶりに興奮した。穴井にリードしてこないと厳しいと思っていたが、穴井が冷静だった。よくやった。(1年振り返り)今季はケガ人が多くふがいないシーズンだった。コーチとして反省している。自己管理も含め冬の練習に生かして生きたい」


出雲駅伝
◆早大7位でシーズンイン
 第14回出雲全日本大学選抜駅伝 (10月14日 島根・出雲市)
 10月14日午後13:08、第14回出雲全日本大学選抜駅伝競走の号砲が響いた。
 1区は注目選手の一人、杉山。有力選手のひしめく1区で序盤から前についていく。5`過ぎから集団から遅れっだしたものの、その後粘り強く前を見据え、8位で襷をつないだ。
 2区の五十嵐は襷を胸にかけた直後からスピードに乗り、2`過ぎで前を走る選手をとらえた。最後までその勢いは衰えることなく、3区の空山に3位の好位置でつなぎ、自分の役割を終えた。
 空山は前半から動きが重かった。3`付近まではしっかりした足取りで京産大と並走を続けたが、後ろから一気に上がってきた第一工大と駒大のペースに巻き込まれ、それについていけずにずるずると後退。後藤の待つ第3中継所までには4つ順位をおとし7位になっていた。
 4区の後藤は安定した走りををみせ、山梨学院大にすぐに追いつかれたが、5`過ぎには前を行く大東大と亜大に追いついた。順位を一つ上げ、次に襷をつなぐ。
 5区を任されたのは篠浦。大会前に怪我をし、走れない時期もあった.。しかし、その影響は全く見られず4区からの流れをうまく生かし、最後の走者へ、重くなった襷を運んだ。
 
  


ラストスパートをかける森村
 最終6区は森村。今シーズンあまり表舞台に姿を見せていなかったが最長区間を任された。大東大とほぼ同じに襷を受け取ったが最後は突き放され、7位でゴール。3大駅伝の序幕はほろ苦いスタートとなった。
 3区,6区の長い区間で踏ん張りきれなかったのが悔やまれる。そして今年が最後の年となる中尾栄二(人4)の欠場。本来のワセダの力を発揮できればトップ3、またはそれ以上の結果を残すことも出来たはずだ。第2ラウンドは伊勢路。次こそ「えんじ」の爆発を期待したい。

 
区間成績(上段が区間順位とタイム。下段が総合順位とタイム 太字は区間新記録)
1区(8.0km)2区(5.8km)3区(8.5km)4区(6.5km)5区(5.0km)6区(10.2km)
杉山一介(人2)五十嵐毅(人3)空山隆児(人2)後藤信二(理工4)篠浦辰徳(人2)森村哲(人4)
(8)23:51(4)16:52(12)26:20(4)19:01(4)15:13(6)31:03
〔3〕40:43〔7〕1:7:03〔6〕1:26:04〔6〕1:41:17〔7〕2:12:20
記者の目から  〜森村哲 最終学年の意気込み〜

 今回は、森村哲(人4)に注目したい。森村は9月末に行われた記録会の1万bで早大においては久々となる28分台を叩き出した。現時点では間違いなく早大のエースである。しかし、残念ながら今シーズンは大きな大会で結果を残せないでいる。ケガ明けで挑んだインカレも不本意な結果に終わり、出雲駅伝でもその走りはいまひとつ精彩を欠いていた。その結果に本人も「まだ力不足」と振り返った。しかし私は必ず最後には結果を出してくると期待している。

 その一つの理由が、森村の競技に対する真摯な姿勢だ。どんな結果でも決して悲観も慢心もすることなく、冷静に反省点を分析し、次に生かそうという姿勢がある。その姿勢には取材をするたびに感心させられる。冷静に今の自分の状況とこれからのレースを見据える眼がある。それはチームの柱となる選手には欠かせない要素であるし、私はそれが森村の最大の魅力であり、これからの奮起を期待させる要素だと考えている。

 そしてもう一つが、出雲駅伝の取材の終わり際に、森村が言った言葉である。「駅伝では自分は前回の箱根しか良いところないんですよね」。確かに森村は前回の箱根駅伝3区区間賞を除くと、区間5位が最高。エースとしては物足りないと言う意味の発言だったのかもしれない。しかし、私はこの言葉の影に森村の今年こそはという意気込みを感じた気がした。最終学年の今年に懸ける意気込みをその一言に感じた。早大には、最後には4年生が結果を出すという流れがある。そして結果を出した4年生には共通して最終学年としての強い意気込みがあった。私は、森村にも同様のものを強く感じた。

 4年生の森村にとって残された大学駅伝のチャンスはあと2回。28分台の実力を示し、今までの駅伝の借りを返したいと言う森村の走りに注目していきたい。(文 木村) 
コメント
☆杉山
「粘りを課題にして走った。流れをつくりたかったけど、できなかったのが残念。前でタスキをつなぎたかった。(大学初駅伝だったが?)緊張もあったけど、楽しみなところの方が大きかった」
☆五十嵐
「たすきを受け取ったとき、トップが見えないわけでもなかったので前へ行こうと思ったが、距離が短いことと中盤から思うように伸びなかったことで抜かせなかった。(今後の目標?)区間賞を取ること。そして勝負としての走りにこだわりたい」

☆空山
「よくなかった。(7位は)自分が足をひっぱたのが大きかったと思う。後半の流れにとって重要な区間になるので、前についていこうと思っていたが」

☆後藤
「調子がよかった。自信を持っていくことができた。山梨に追いつかれたとき粘ることもできたし、よく走れていたのではないかと思う」
篠浦
「1週間前に左足の外側を痛めてしまい、めどが立ったのも3日前でベストの状態ではなかった。本当は1区を走る予定だった。(昨年と比べて?)昨年はまだ実力的にも未熟だったので、それに比べればいい走りができたと思う」

☆森村
「エース区間を任されている自分はレースをまとめる役目があるのに順位を下げてしまって力不足。記録会で28分台を出せて区間上位で走りたいと思っていた。続けて実力を出さないとフロックだと思われてしまう。今度こそ、借りを返すレースをしたい」
☆遠藤司コーチ
「(7位は)決してよくはないだろうけど、うまくいかなった選手の原因は分かっているから。空山は夏走りこめていない分コンディションができていなかった。(課題は?)最低限のコンディションは身に付けないと。練習でできても試合で結果を出せなければ自信が付かない。(チームの手ごたえは?)まだ花を開かせることはしていない。過程としては、今回のメンバーもその他のメンバーも夏合宿の成果が出始めている」

出雲駅伝展望
◆駅伝シーズン開幕 早大上位を取れるか
 第14回出雲全日本大学選抜駅伝 (10月14日 島根・出雲市)
 10月14日、いよいよ駅伝シーズンの初戦、出雲駅伝が行われる。 早大は近年、箱根駅伝予選会の関係や主力の故障によりベストオーダーを組めなかったが、今年はほぼベストの布陣を組むことができた。ただしエントリーメンバー8名に対して実際に走れるメンバーは6名のため、2名は補欠に回ることになる。

 ポイントとなるのは中尾、空山、杉山の3選手。中尾は今季大きな大会に一度も出場していない。インカレも欠場し、どのような状態なのか不明だ。関東インカレ五千bを制した空山もインカレ五千bでは24位と惨敗。春先に比べ調子が今ひとつ上がっていない。杉山はインカレ以降の記録会で結果を出せないでいる。ただ中尾、杉山は充実した夏合宿を送れたことも確かで、練習不足ということはない。空山も9月21日の早慶戦ではまずまずの走りをしている。問題はこの3人がどこまで調子を上げてくるかだ。3選手のできがチームの浮沈を左右しそうだ。

 一方で好調なのが森村。9月28日の日体大記録会では佐藤敦之(平13人卒、現中国電力)以来となる一万b28分台をマークした。出雲でもチームの柱として活躍しそうである。また、篠浦も同記録会で29分25秒をマークするなど好調だ。今季の篠浦は関東インカレ一万b以外は高いレベルで安定した走りをしているため、森村同様期待できそうだ。

 出雲は10`以上の区間が最終6区だけ。そのためスタミナよりもスピードが求められる高速駅伝になる。今回の早大の五千b平均タイム(14分11秒)は優勝候補・駒大に次ぐ2位の記録。中尾、空山、杉山の状態によってオーダーは大きく変わると見られ、区間予想は難しいが、1区の選手がいい流れをつくれれば上位争いも可能だろう。ただし距離が短い分、遅れると致命傷になるため序盤の出遅れには注意したい。

★エントリーメンバー
名前    学部学年  五千bベスト 一万bベスト
森村 哲    人4     14分04秒  28分58秒
後藤信二  理工4   14分18秒  29分34秒
中尾栄二  人4    14分00秒  29分38秒
五十嵐毅  人3    14分15秒  29分23秒
篠浦辰徳  人2    14分15秒  29分25秒
杉山一介  人2    14分07秒  29分49秒
空山隆児  人2    13分56秒  29分31秒
高岡 弘   人1    14分37秒  30分11秒

日本インカレ
◆短距離、長距離とも不振目立つ
 第71回日本学生対校選手権 (9月6〜8日 東京・国立競技場)
  短距離は男子四百bリレーが3走大前から4走中川のバトンパスがオーバーゾーンとなり無念の失格に終わった。優勝した東海大は2走末続で大量リードを奪い、早大に力の差を見せ付けた。個人種目では大前が二百bで2位に入ったが、東海大・宮崎に関東インカレ、日本選手権に続いて大差で敗れた。
 長距離は一万bで10位に入った森村哲(人4)が最高の成績と振るわず、関東インカレ五千bを制した空山隆児(人2)も序盤から大きく遅れ24位に終わった。
 フィールド種目では女子棒高跳で森永が2位、田中が5位と健闘したが優勝の中京大・真島(3b95)からは大きく離され、トップとの差を感じさせられる結果となった。

記録 ▽百b E北村和也(人2)10秒58 ▽二百b A大前祐介(人2)20秒98 ▽千六百bリレー C早大(永戸洋平、佐藤真太郎=ともに人4、森田行雄=人1、田野淳=人3)3分11秒00 
 ◆女子 ▽百b F中川真理(人2)12秒15 ▽棒高跳 A森永麻里子(人3)3b60 D田中宏美(人1)3b50  ※上位進出者のみ掲載
五千bに出場した杉山(右)と空山
総評秋シーズン、合宿の成果を
 
不振を極めた長距離陣。箱根駅伝に向けて決して楽観視できる結果ではないが、遠藤司コーチは「合宿がうまく行き過ぎた分振るわなかった」とマイナスにばかり捉えていない。駅伝シーズンに向けて大事になるのが夏合宿。その合宿で遠藤コーチはある程度の手応えを感じているようだ。合宿での走り込みがうまくいけば、それだけ疲労も蓄積されてしまう。
 もちろん合宿の疲れが残るという部分ではどの大学も同じ条件ではあるため、上位入賞者が出なかったことを正当化することはできない。今回の成績が振るわなかった分、続く出雲駅伝でどこまで戦えるか注目だ。「うまくいった」合宿の成果を出し、箱根に向けいいステップをつくるためにも、結果を出すことが求められる。
 
コメント
☆大前
「大会前まで調子が悪く、決勝に出られれば良いという気持ちだった。(二百は)中間失速しなければいけたが、(調子が悪かっただけに)納得はいっている。得点は取れてよかったが満足はしていない。(東海大・宮崎選手は)意識はしなかった。追いきれると思ったが距離が足りなかった。(4継の失格は)オーバ−ゾーン。ぎりぎり大丈夫だと思ったんだけど。(今後のレースは)スーパー陸上。打倒末続ですかね」
☆北村
「(百は)少なくとも決勝進出、そしてよければ3位以内を目標にやった。(4継は)練習から打倒東海大を目標にやってきて、バトンパスもあえてぎりぎりに設定して勝負に出た。自分の走りは百b決勝時より良かったし、全力でやれた。失格という結果について悔いはない。(今後は)実力が足りない部分が多いので個人的にレベルアップを目指して練習し、ユニバーシアードを狙っていくつもり」
☆杉山<五千>
今回は惨敗だった。北海道の合宿はしっかりこなし、引っ張ることができたのでこの姿勢を駅伝シーズンへ向けて持ち続けていきたい。ケガもなく走れているので、今後の駅伝シーズンにしっかりつなげていけると思う
☆空山<五千>
「関カレで勝ったためにうかれていたというか、気の緩みがあったのかもしれない。この4ヶ月まともなことができていなかった。それを考えれば当然の結果。自分は2年生だが結果を残さなくてはならないという意識を持っている。(ここ数ヶ月うまくいかなかったが)自分を見直す、自分が何をすべきか探すいい機会だと思っている。まずはシーズン前に五千13分台、一万28分台という目標をクリアしていき、それから長い距離を走ることを考えていきたい」
☆森村
<一万>
「夏合宿の4日目くらいで脚にケガをしてしまい、ほとんど走りこめなかった。帰ってきてから仕上げてはきたが、満足度は10あったら1くらい。大会に課題を持って臨んだ時点でもうそれが課題だった。これから巻き返していきたい」
☆稲吉
<ハーフマラソン>
「選んでもらえたことをうれしく思うし、前向きに考えて今後につなげていきたい。(レースは)中盤で積極的に前へ出て行けなかった。練習不足だと感じた。もっと練習を積み重ねるべき」
☆相楽
(駅伝主将)<三千b障害>
「あまりよくない結果に関しては合宿の疲れが抜けないので、しょうがない面もある。が、個人的にもチームとしても狙った大きな試合で結果を出せなかったのは力も気持ちも不足していたからだと思う。(今後について?)合宿の成果はこれから表れるはずなのでまだ何ともいえないが、手応えはある。少なくともチームがまとまってきた。ライバル意識の強い2年と4年でチームを引っ張っていきたい」
☆森永
「夏の練習で走りこめたので、走力が付いた分今度は助走が合わなくなってしまった。今日も最初の方は合わなかったが、少しずつ合うようにはなってきている。これからの課題としては助走を安定させることで、大きな自分の跳躍をしたい」
☆遠藤コーチ

(夏合宿について)昨年よりもいい合宿ができた。今回出た選手が前半から中盤にかけてケガしてしまったりもしたんだけど。うまく行き過ぎた分疲れが抜けず、今回振るわなかった。(今回の結果)もう一週間早くコンディショニングすればよかった。コーチとしては失敗。あまりにもいい合宿だったし、箱根のことが頭に浮かんでしまった。ただ大学一を決める大会なのでもう少し合わせないといけなかった。そこは反省だね。(中尾の欠場)彼もすごい練習をやって、本当にいい状態で来てたんだけど、最後のスピード練習で脚に違和感が出てしまった。走れはしただろうけど前も脚をやって長引いたから大事を取って休ませた」

日本インカレ展望
◆4継、頂上決戦!
 第71回日本学生対校選手権 (9月6〜8日 東京・国立競技場)
 学生日本一を決める今大会。学生一の称号を目指し各校の選手たちが毎年しのぎを削る。
 今回の一番の注目はやはり男子四百bリレー。関東インカレでは早大が勝利を収めたが、昨年この大会で学生新記録を打ちたて優勝した東海大は末続、宮崎と日本代表選手を筆頭に実力者がそろい侮れない。この大会に勝利したチームが真の王者になるといっても過言でないだけに白熱した戦いが繰り広げられるだろう。
 長距離では空山隆児(人2)、森村哲、中尾栄二(ともに人4)ら、駅伝シーズンではエース区間を任されるであろう選手がどこまで他校のエースと渡り合えるか注目だ。夏合宿の成果をためす最初のレースとなる。
4継 2強戦力分析〜
 ◆真の王者奪回へ、ワセダ
 ◆今季の早大
 小島茂之、中川博文(ともに平14人卒)の二枚看板が卒業し戦力不足も懸念されたが、ここまでその不安を吹き飛ばす活躍ぶりだ。高校時代活躍した北村が実力を発揮し始めれば、中川も力を着実につけ、大前と合わせた2年生トリオがチームを引っ張る。関東インカレでは2年ぶりの優勝を飾り、その存在感を知らしめた。総合力では東海大をしのぎ、インカレでのタイトル奪回も視界良好だ。
 ◆オーダー予想
 オーダーは固定されず調子に合わせて決められている。エースの大前をどこに置くかがポイント。スピードが求められる2走、4走か、コーナーワークのうまさが求められる3走か注目される。大前はどちらの能力も兼ね備えており、まさにチームの軸だ。ちなみに関東インカレでは3走に起用され抜群のコーナーワークで東海大を抜き去った。
 1走はスタートの得意な安川、カーブがうまい穴井の二人のうちのどちらかが有力。四百b専門の佐藤も昨年までは1走を任される機会がありメンバー候補の一人と言える。
 今季に入り好調な中川は関東インカレでは4走に抜擢された。専門は二百bのためコーナーも走りなれており、3走の起用もありそうだ。同じく今季好調の北村はスピードを生かすタイプで、2走、4走の直線で力を発揮してくれるだろう。
 ◆メンバー候補
 
佐藤真太郎、安川嘉亮(人4)、穴井信也(人3)、大前祐介、北村和也、中川裕介(人2)、菊池潤(人1)
関カレを制し抱き合う中川(奥)と大前
   日本のエースへと成長した末続
雪辱に燃える王者、東海大
 ◆今季の東海大
 
昨年のインカレで驚異的な学生新をマークした強さは今年も健在。藤本、奥迫と二人のメンバーが卒業したが、末続宮崎が順調に成長しチームを引っ張る。末続はいまや日本のエースとしてアジア史上初の百b9秒台、二百b19秒台を目指す。宮崎も関東インカレ、日本選手権二百bを立て続けに制し波に乗る。ともにアジア大会代表に選出され実力は申し分ない。
 この二人以外にも鎌形鈴木など実力者は多いが絶対的なエースの影にやや隠れてしまっているのが現状だ。
 ◆オーダー予想
 末続宮崎の二人を直線の2走、4走に持っていくのがスタンダード。二百b専門の鎌形を3走において1走は鈴木平石あたりだろう。直線の二人は脅威だが、カーブの区間がややネックか。関東インカレでは3走(鎌形)で早大・大前に抜かれた焦りからか、バトンパスをミスし失格となった。松本上野の潜在能力抜群のスーパールーキーがメンバー入りしてくると面白い。
 ◆メンバー候補
 末続慎吾、宮崎久、鈴木隼人、平石直嗣(4年)、鎌形千尋(3年)、上野政英、松本一輝(1年)

日本学生種目別選手権
◆中川二百bVで兄弟制覇達成!
 第13回日本学生種目別選手権 (6月22日 神奈川・城山陸上競技場)
 今年はユニバーシアードがないため、一日での開催となった種目別選手権。早大からは短距離の出場が目立った。
 男子二百bには中川裕介(人2)が出場。決勝ではスタートダッシュが鮮やかに決まり、優勝を飾った。この種目では3年前に兄である中川博文(平14人卒=現三洋信販)も優勝を果たしており、兄弟そろって優勝者に名を刻んだ。タイムは21秒30とあまり伸びなかったが、今季に入り好調を維持する中川らしいレースだった。
 男子百bでは北村和也(人2)が3位。大前祐介(人2)は脚をつるアクシデントもあり8位に終わった。
 長距離では篠浦辰徳(人2)が五千bに出場。14分30秒とまずまずのタイムだったが、13分台で走った先頭とは大きく離された。
記録 ▽百b B北村10秒54  G大前 ▽二百b @中川21秒30 ▽棒高跳 D毛利公一(人3)4b80   ※上位進出者のみ掲載
二百bを制した中川
大前アジア選手権へ
 第85回日本選手権 (6月7〜9日 石川県西部緑地公園陸上競技場)

 男子二百bに昨年2位の大前が出場。昨年優勝の末続(東海大)が欠場し、優勝のチャンスもあったが3位に終わった。この結果大前はアジア大会代表は決められなかったが、8月に行われるアジア選手権代表に選出され、アジア大会代表に望みをつないだ。
 記録  ▽二百b B大前21秒23  
     ◆女子 ▽棒高跳 F森永麻里子(人3)3b60

 
コメント(種目別選手権)
☆中川
21秒30のタイムは良くはないです。でも天候状態が良くない中ではまあまあです。出場選手に強い選手がいなかったので、勝てる試合で勝てたのは良かったです。兄も勝ってるので、これで兄弟制覇です
☆大前
予選は良かったんですけど、決勝では力が入りすぎて脚つっちゃいました
☆篠浦
14分30秒のタイムはダメです。今年は五千bで記録を出そうと記録会に多く出場しているのですが、なかなか出ませんね。今日はレベルの高い大会なので、順位が良ければ、おのずとタイムはついてくると思ったのですが、まだリズムがつかめていませんね

関東インカレ
◆森永、空山、4継優勝! 早大勢大活躍!!
 第81回関東学生対校選手権 (5月12日、16〜18日  東京・国立競技場)
 ◆一日目
 今大会最初の種目となったハーフマラソンでは苦しいスタート。後藤信二(理工4)の14位が最高で入賞者は出せなかった。その一方で、女子棒高跳では森永麻里子(人3)が見事2連覇を達成。昨年の王者の貫禄を見せ付け、ハーフの不振を吹き飛ばす明るいニュースとなった。
 ◆二日目
 男子千五百bに出場した空山隆児(人2)が2位。ラスト150bからの鮮やかなスパートで自慢のスピードを存分に見せ付けた。空山の好走で長距離も波に乗り出したかに見えたが、一万bでは今季飛躍が期待される篠浦辰徳、杉山一介(ともに人2)がタイム、順位ともまったく振るわず厳しい結果となった。杉山は右ふくらはぎ痛をおしてのレースだった。

 ◆三日目
 男子百b決勝に進んだ大前祐介、北村和也(ともに人2)はそれぞれ5,6位。大会新を連発する東海大・末続の強さが目立った。三千b障害には相楽豊駅伝主将(人4)が出場。ラストスパートが冴え、3位に入った。王座奪回を目指す男子四百bリレー(4継)は好スタートを切ると3走までにリードを奪い、2年ぶりの優勝を飾った。なお東海大は3走から4走へのバトンパスに失敗し、失格となった。 




個人、リレーに活躍した大前
(写真は二百b決勝)
 ◆四日目
 男子二百bは大前、中川裕介(人2)、佐藤真太郎(人4)の3人が決勝進出。それぞれ2位、4位、8位という結果だった。大前は優勝の期待もかけられたが、前半出遅れ、あと一歩及ばなかった。佐藤はレース中にケガを負い、失速した。五千bには千五百b2位の空山と篠浦が出場。空山は終始先頭集団前方に位置取り、ラスト100bから驚異的なスパートを見せ、山梨学院大・カリウキを抜き去り見事優勝を飾った。篠浦は先頭からは大きく遅れながらも自己ベストを更新した。
 
記録
◆男子
▽百b D大前10秒54  E北村10秒55   ▽二百b   A大前20秒86 C中川21秒04 G佐藤24秒80
▽四百b F田野淳(人3)47秒98        ▽八百b 小林秀史(人4)1分54秒38
▽千五百b A空山3分51秒25          ▽五千b @空山13分56秒38 篠浦14分25秒95
▽一万b   篠浦30分31秒18  杉山30分53秒57
▽ハーフマラソン 後藤1時間5分54秒 五十嵐毅(人3)1時間6分12秒 植竹誠也(人4)1時間7分43秒
▽三千b障害 B相楽 8分59秒35
▽四百bリレー @早大〈安川嘉亮(人4)、北村、大前、中川〉 39秒57
▽千六百bリレー D早大〈永戸洋平(人4)、中川、大前、田野〉3分07秒83 
▽走高跳 F遠藤永治主将(人4)2b00    ▽円盤投 G内田智也(人2)45b01
▽やり投  D玉利晋一(人3) 65b75     ▽総合  E早大 63点
◆女子
▽百b G中川真里(人2) 12秒58         ▽棒高跳 @森永 3b60
※上位進出種目のみ掲載

総評4継、再度黄金時代を築けるか
 昨年までチームの中心だった小島茂之、中川博文(ともに平14人卒)が卒業し、今年は2年生中心の若いチーム編成となった。下馬評では末続、宮崎ら日本短距離界トップレベルの選手を擁する東海大が上かとも思われていたが、今回の早大はまったく引けを取らない力を発揮し、3走まででリードを奪った。結果的には東海大の失格もあったが、それがなくても勝っていた可能性は高く、今後も互角に戦えるのは間違いない。
 特に中川(裕)の成長は著しく、今回はアンカーに抜擢された。今後が楽しみな存在で、チームを盛り上げていくのは間違いない。また高校時代に実績を残した北村も復調、安川もスタートに定評がある。今回は出場しなかったが、1走を得意とする穴井信也(人3)らも控え、選手層も厚い。そして言うまでもなく大前は日本トップレベルの逸材だ。彼らがうまく噛み合っていけば、3大大会11連勝を打ち立てた黄金時代の再来もありうる。まずは9月のインカレに注目したい。

4年生の活躍がほしい長距離
 五千bでは空山の劇的な優勝もあった長距離だが、全体的にやや物足りない結果だった。その最大の理由はチームを引っ張るべき4年生の活躍が薄いことだろう。相楽主将は三千b障害で3位に入る健闘を見せたが、その他の選手はもう一歩だった。何より森村哲、中尾栄二(ともに人4)の出場がなかったのは寂しい限りだ。今回の空山の活躍に刺激を受けて、チーム内での競争が激化すると、箱根に向けておもしろくなる。
 まだだシーズンは始まったばかりである。秋の駅伝シーズンでは4年生も含め、チーム全体が大活躍してくれることを期待したい。
コメント
☆大前

 
「(4継)自信はあった。昨年の借りを返すことができた。(昨年と比べ)戦力ダウンしたとは思っていない。(二百は)勝ちたかった。昨年の自分と比較したら力がついている」
☆北村
 
「(4継)リベンジを目標に掲げていた。総合ではウチが強いと信じていた」
☆安川
 
「(4継)東海のバトンミスを除いても勝ってた。インカレ、日本選手権と連覇して途切れたタイトルを取り戻したい.。新しいワセダの歴史を創りたい」
☆中川
 
「(4継)最高。個人はどうでもいいくらいの気持ちで頑張った。ホントうれしい」
☆空山
 「(五千)粘って付いていけば勝負は見えてくると思っていた。ラストスパートにはある程度の自信は持っていた」
☆篠浦
 「全然ダメ。納得できない。(空山の優勝は)やっぱり悔しい」

☆相楽
 「大会期間中はよくやった。でもこの試合にいたるまでに、選手内で標準記録を狙うものと、そうでないものとにはっきりわかれてしまって、チーム内で競争意識がなかった。みんなで争って全部の枠にオーダーしたかった」

☆後藤
 
「後半に勝負したかった。でもずるずるいってしまった。力の差」
☆五十嵐
 
「ピークをあわせられず後半5`がメロメロだった。後半上げられるようにと思っていたが」
☆植竹
 
「お話にならない結果。(調子は)ここ一週間まったく上がってこなかった」
☆森永

 
「(2連覇できて)ほっとした。ずっと調子が悪くて今日も不安を抱えてだったけど、1本跳んで大丈夫かな、と思った」
☆大沢コーチ(短距離)
 
「70点くらい。残りの30点は佐藤のケガとハードルなど点を取るべき人が取れなかったところ。(4継)総合力では東海大と互角にやれる自信はあった。3走までで勝ってきたので(東海の失格がなくても)逃げ切れたと思う」
☆遠藤コーチ(長距離)
 「出場した選手はよく頑張った。ただそれ以外のメンバーがかなりマイナス。この大会を狙う気持ちが薄すぎる」

関東インカレ展望
◆高野、森永連覇目指す! 大前、末続撃破なるか!?
 第81回関東学生対校選手権 (5月12日、16〜18日  東京・国立競技場)

昨年プレーバック
 大会一日目、ハーフマラソンで原田正彦(平14人卒)が優勝、後藤信二(理工4)が3位、女子棒高跳で森永麻里子(人3)、錦織育子(平14人卒)が1,2位を占めるなど幸先のいいスタートを切ったが、その後は苦戦続き。長距離は五千b、一万bともに入賞者を出せず、短距離も3連覇中だった男子四百bリレーが東海大に敗れ、自身の持つ日本学生記録、単独チーム日本記録を失った。その中で高野香織(人4)が百b、二百bの2冠と健闘を見せた。
 
今大回の見どころ
 
短距離の注目は
男子四百bリレーチーム。覇権奪回に燃えるが、立ちはだかるのは王者・東海大。2校の一騎打ちが予想される。男子二百bでは大前と東海大・末続の日本最速バトルに注目。また高野は女子百b3連覇に挑む。
 長距離は他校のエースとどれだけ渡り合えるか。きたる箱根駅伝に向けて最初のステップになる。
 フィールド種目では女子棒高跳で森永が2連覇に挑む。
 




昨年2冠の高野(昨年より)
注目選手
☆大前祐介(人2) 短距離
 
昨年二百bで日本歴代3位となる20秒29の好記録をマーク。一気に日本屈指のスプリンターへと成長した。今大会では日本歴代2位の記録を持つ東海大・末続に挑む。また四百bリレーではエースとしてチームを引っ張る。
☆高野香織(人4) 短距離
 
ワセダが誇る女王。昨年は百b、二百bの2冠を達成した。最高学年となった今季は勝利に対する想いも強いはず。百b3連覇、二百b2連覇で最後の関カレを締めくくりたい。
☆日笠裕允(人1) 中距離
 
先日の東京六大学対校では千五百b優勝を果たした。増原琢磨(平14法卒)が抜けた今年は1年生ながら中距離のエースとしての期待がかかる。鮮烈なデビューを飾れるか。
☆空山隆児(人2)
 長距離
 
今年の箱根駅伝では7区区間賞を獲得。その後は世界クロカンにも出場し、エースへの階段を着実に上っている。各校のエースとどこまで戦えるか注目だ。
☆篠浦辰徳(人2) 長距離
 中距離出身ながら徐々に距離を伸ばし、立川ハーフはじめ確実に結果を出してきた。今季大ブレークの予感。
☆森永麻里子(人3) 棒高跳
 
昨年棒高跳で優勝。昨年度の日本ランキングも5位と、実力は申し分ない。2連覇を目指す。

東京六大学対校
◆9種目制覇で総合2連覇!
 第35回東京六大学対校 (4月6日 東京・駒沢陸上競技場)
 今年のシーズンの幕開けを飾る対校戦で、早大が2連覇を飾った。早大は百bでの安川嘉亮(人4)、穴井伸也(人3)の1,2位独占をはじめとし、9種目を制覇。 シーズンが始まって間もないこともあり、記録はあまり伸びなかったが、そつのない総合力の強さを示した。
 四百bリレーでは、40秒台の記録ながら、他校を寄せ付けず6連覇を達成。今年は小島茂之、中川博文(ともに平14人卒)両エースの抜けた穴を北村和也、中川裕介(ともに人2)が埋め、2年生中心の若いオーダーで昨年学生記録を樹立した東海大に挑んでいく。
 また今年の箱根駅伝で結果を出した長距離ブロックでは、空山隆児(人2)が、五千bをラストスパートで圧倒的な強さを見せ、この種目早大勢3連覇を飾った。随所に強さを見せつけた空山。今シーズンも大いに期待がもてそうだ。
  その他の種目でもそつなく結果を出した早大。これからのシーズンが楽しみだ。

 


五千bで力走を見せる空山
期待の新戦力
 今年入学した期待の新人が、それぞれの競技で初めての対校戦に挑んだ。中でも目のひく活躍を見せたのが、千五百bで優勝した日笠裕允(人1)だった。タイムは4分台ながら、常に余裕を見せるレース運びで昨年の杉山一介(人2)に続く、1年生での優勝を飾った。これからのシーズンでも大いに期待が持てそうだ。
 短距離では、高校総体二百b優勝の森田行雄(人1)が千六百bリレーに出場。惜しくも法大に離され、優勝は逃したが、これからの成長に期待したい。また菊池潤(人1)もオープン種目ながら二百メートルに出場。本人はまったく納得のいかない結果に終わったが、将来的には四百bリレーのメンバー候補になるだろう逸材だけに、森田同様、今後の成長に注目したい。

 
記録
▽百b @安川 10秒89  A穴井 10秒91
▽四百b A佐藤真太郎(人4) 48秒19  B田野淳(人3) 48秒63
▽千五百b @日笠 4分01秒99
▽五千b @空山 14分17秒54  C後藤信二(理工4)14分23秒30
▽百十bハードル @萩野勝也(人4) 14秒49  A石田真士(人3) 15秒24
▽三千b障害 @相楽豊(人4) 9分00秒74
▽四百bリレー @早大〈穴井、大前祐介(人2)、中川、北村〉 40秒22
▽千六百bリレー A早大〈永戸洋平(人4)、森田、佐藤、田野〉 3分11秒23
▽走高跳 A遠藤永治(人4) 1b95  B逢田裕之(1) 1b95 ※試技数による
▽棒高跳 @毛利公一(人3) 4b80  B内間安順(人4) 4b60
▽砲丸投 @内田智也(人2) 13b92 
▽円盤投 A内田 42b84  B玉利晋一(人3) 40b40
▽やり投  @玉利 62b61
※対校種目、3位以上のみ掲載


立川ハーフマラソン
◆1年生が活躍!篠浦5位、杉山7位
 第21回立川マラソン (3月10日 東京・国営昭和記念公園)
 冬季練習の総括戦として行われる立川ハーフで、篠浦辰徳(人1)、杉山一介(人1)の両1年生が順調な仕上がりを見せた。今年の箱根駅伝でも14人のメンバー入りを果たした篠浦はこのレースでも積極的な走りを見せ、常に上位につけ5位でゴールした。またケガ明けのレースとなった杉山も好タイムを出し強さを見せた。
 二人に続いたのは伊内啓(理工3)、相楽豊駅伝主将(人3)、松村啓輔(人3)。しかしタイムは1時間6分台と今ひとつ振るわず物足りない結果と終わった。
記録 D篠浦1時間4分23秒  F杉山1時間4分31秒   ※上位進出者のみ掲載

好走を見せた篠浦
総評1年生の更なる飛躍に期待
 今季の早大は箱根駅伝で安定した力を見せた4年生が抜け、その穴をどう埋めていくかが課題となってくる。そこで注目されるのが、実力のある1年生である。今年の箱根駅伝では空山隆児(人1)の快走が注目されたが、今大会で同期の篠浦、杉山の二人も一気にチームの主力へと駆け上がった。
 篠浦は高校時代中距離を専門としていたスピードランナーだったが、大学に入って長い距離にも着実に力をつけてきた。一方の杉山は春までは空山をも凌ぐ実力を見せていた。その後は故障で戦列を離れていたが、故障明けのわずかな練習で挑んだ今大会でチーム上位の記録を出し、潜在能力の高さを示した。彼らの活躍を受けて、田中健雄、坂口哲雄、岡部祐介(すべて人1)らが飛躍してくると、箱根に向けて戦力が整ってくる。刺激しあいながら成長していく彼らに注目したい。
コメント
☆篠浦
先頭が独走だったのでその次の自分についていける集団についていくことを考えていた。反省点は後半少しばててしまったこと。(杉山について)負けたくない。ケガ明けだったのでもっと放したかった
☆杉山
「ケガ明けのレースだったから不安だったが、予定よりよかった。レース途中は中だるみしてしまった。(篠浦について)負けたのが悔しい。同じ学年はみんなすごいけど負けたくない」
☆伊内
「あんまりいい記録じゃない。(チームは)自分もそうなんだけど、個人個人が結果が出せていないのであまりいい感じではない」
☆松村
「今大会一本に合わせて練習していたが箱根の後少し気の緩みがあり調子が落ち込んでいた。昨日の仕上げで行けるかなと思ったけどこんなものだった」
☆相楽
「初ハーフでやれるだけやってみようと思っていた。(チームは)箱根が走っていない人が伸びた点では良かったが、箱根を走った人がダレ気味な感がある」
☆遠藤司コーチ
「うまく走れた選手はよく走ったけど中堅あたりの選手がもう一歩だった。もう少しうまくまとめてこれると思った。篠浦は力をつけてきた。杉山も復活(ケガ明け)しての短い期間でよくまとめてきたと思う。昨年の箱根予選会以来ずっと緊張しっぱなしだったから、特に大きなレースに出た人は調子を落としたり故障したりしてしまった」

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