ソフトバンクが、両リーグトップとなる10勝を挙げた。開幕から14試合。ほぼシーズンの1/10が終わったばかりだが、5球団との最初の対戦を終えて負け越しはなし。4連勝で北海道に乗り込むことになった。

開幕前に不安視された先発投手陣の奮闘は、すばらしい。14試合で先発陣の防御率は西武の1・71に次ぐリーグ2位の1・81。先発投手が状態を上げて開幕に入って来られたのは大きい。ホーム開幕戦の先発に内定していた和田の調子が上がらず、急きょ変更。結果的にこれも大きかった。

和田にもチームにも、両者にとっていい決断だったのではないか。和田もあのまま投げていれば厳しかったろうし、キャンプから先発陣の競争をあおってきた中で、大津がしっかり結果を残して期待に応えてくれた。変則的な日程にも恵まれたと言ってもいい。オリックスとの開幕3連戦(京セラドーム大阪)から先発6人を準備するのは次カードのロッテ3連戦(ペイペイドーム)まで。4月はほぼ1週5試合の変則。先発ローテのやりくりにも余裕が持てた。

それにしても打線は強烈だ。課題だった「1番の固定」は、周東がはまった。2番今宮も状況に応じた打撃ができる。この2人がしっかり機能すれば、柳田、山川、近藤と続く主軸は重厚なだけにリーグ屈指の得点力は言うまでもない。9日の日本ハム戦(リブワーク藤崎台)で、4度の得点機ですべて凡退した4番山川が、11日の2戦目(北九州)は3打点。13日の古巣・西武戦(ベルーナドーム)では2打席連続の満塁弾を放つなど、8打点と爆発した。投打で圧倒している。

投手陣、野手陣がそれぞれ好調な時は、どのチームにもある。ただ、今のホークスの強さはそれぞれがしっかり「カバー」し合っているところ。例えば6日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で、1点リードの7回に藤井が2点を失い逆転を許したが、直後の8回表に柳田が再逆転となる1号2ラン。お互いを「カバー」し合っている。

楽観視しているわけではないが、あまり不安要素は見当たらない。中継ぎとして成長している杉山が勝ちパターンで起用されるようになれば、さらにブルペン陣は強化され、松本裕やオスナの負担も軽減される。心配なのは、思わぬ故障くらいか。ホークスが一気に走る気配は十分だ。(日刊スポーツ評論家)

好調な打撃でチームを引っ張る周東
好調な打撃でチームを引っ張る周東