<アジアAAA選手権:日本3-1台湾>◇30日◇予選ラウンド◇横浜

 高校日本代表が台湾を下し、3連勝でB組1位通過を決めた。3回に3番高橋周平遊撃手(東海大甲府3年)の右前打などで2点を先制。1点差の6回には7番谷田成吾一塁手(慶応3年)が中押しの適時打と、異例の抜てきだった甲子園不出場組が活躍。投げても今夏地方大会で敗れた野田昇吾投手(鹿児島実3年)が2番手で5回0/3無失点と好投した。今日31日の準決勝では、A組2位のフィリピンと戦う。

 今夏甲子園を逃した選手たちが、日本を予選1位に導いた。先制打の高橋は、追い込まれてから打ち損じを避けバットを指2本分短く持った。今秋ドラフト1位候補は「甲子園に出てないのに何でアイツが出てるんだ、と思われないように」と結果を重視した。同じ甲子園不出場組の谷田も6回2死三塁から貴重な中前打。「意地をバットに乗せた」と言い切った。

 波に乗れない先発歳内を助けたのは、今春センバツ8強左腕の野田だった。逆転のピンチだった4回裏1死一、三塁。歳内が相手5番に初球をファウルされた直後に「一番度胸がある」と渡辺元智監督(66)が右打者相手に起用した。野田も「見せどころはここしかない」と自己最速にあと1キロと迫る144キロを記録。内角に食い込む直球で、2者連続三振を奪い切り抜けた。

 野田は社会人、高橋はプロ、谷田は大学でのプレー継続が濃厚。夏に敗れても、それぞれが次のステージへ向けての練習を欠かさなかった。その結果を、この日の勝利に結び付けた。