【ヤクルト吉村貢司郎】直球論 投球3大要素で最重視しているポイント/連載〈53〉

燕の将来を担うヤクルト吉村貢司郎投手(26)は、開幕から1カ月目で「悔いの残る1球」を味わった。4月23日の広島3回戦(神宮)。0―0で迎えた7回2死一塁。カウント2―2から、宇草孔基外野手(27)への5球目は、真ん中高めに入り、痛恨の決勝2ランとされた。打たれたのは、磨き続ける直球。そこで感じた素直な思い、理想の直球とは?

プロ野球

◆吉村貢司郎(よしむら・こうじろう)1998年(平10)1月19日、東京都生まれ。日大豊山1年夏からベンチ入り。3年夏の東東京大会決勝でオコエ瑠偉(現巨人)を擁する関東第一に敗れた。国学院大―東芝を経て、22年ドラフト1位でヤクルト入団。1年目の昨季は故障の影響もあり、12試合の登板で4勝2敗、防御率4・33。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。

「まだ良くないのかな」

――4月23日の広島戦は悔しい登板となった。

勝ち切れてないってあたりは、反省すべき点もすごく多いと思います。いかに長いイニングを投げるかっていうのが大事だと思って、その中でも1イニング、1イニングやってて…。やっぱりそうですね、勝ち切れていないっていうのは、まだ良くないのかなっていう風には思います。

――宇草への1発

自分の中では強さを出していこうという気持ちで投げたので、それはあれですけど、相手がいるところなので、どうなるか分からない。でも、打たれちゃダメな場面だったので、1発が一番ダメな場面だなと思ったので、そこら辺はどうやって次に生かしていけるか、どうやって変えていくかっていうところだと思います。

――直球が、甘く入った

中に入って甘いところに行ってしまったんで、狙ったところより内に入ったんですね。しっかりと反省していきたいなと思います。

――6回まで3安打無失点。だからこそ、悔いが残る

そこまで良くても、良かったとしても、1球に、悔いが残る1球だったので、そこら辺はしっかり投げ切らないといけない場面でした。

相手先発の広島床田も、吉村同様に6回まで3安打無失点。7回に1安打を許したが、結果的に8回4安打無失点で勝利投手となった。2人の運命は、7回に決まった。

本文残り62% (1371文字/2214文字)

岐阜県・羽島郡出身。2浪1留の親不孝者。青学大から13年入社。
野球部でアマチュア、巨人、ヤクルト、楽天、DeNA、巨人を歴任。一番の思い出は、19年の台湾出張。痔が悪化し、現地ホテルで試合観戦。異国の地で、購入したボラギノールは忘れられない。
20年からスポーツ部に異動し、サッカー担当に。23年秋から野球部に復帰。好きなものは、優しいウォシュレット。嫌いなものは、硬い椅子。