アニメ・ゲームコラム

GCCX菅Pコラム 50歳AD@笑いの現場
1964年生まれ。「ゲームセンターCX」プロデューサー。「vs嵐」ディレクター。「秘密のケンミンSHOW」ではフロアでカンペも出す現役最年長AD。過去には「4時ですよ~だ」「冒冒グラフ」「タモリ倶楽部」etc.バラエティー番組を中心に約4,000本を担当。 映画「風花」「血と骨」のメイキングも。
- このコラムにはバックナンバーがあります。
阪神大震災(3)
[2016年10月4日10時26分]
20年前に起こった阪神大震災。報道局に缶詰になり特番をひたすらこなした4日間…。帰ってみたら田中康夫さんがわが家にやって来たのです。
バイクの件で丁重なお礼。それよりも気になる神戸の状況…田中さんは毎日大阪と神戸を往復して救援物資を届けているがまだ足りていない…そして街が壊滅していると。その目で見た事実を知らせてくれました。
「現場に行かないと…」
翌日は仕事が休みだったので持てる物資を持って神戸を目指しました。その時点で阪急が西宮北口まで運転していたので行き、そこから徒歩で神戸を目指します。
西宮から芦屋…西に進むにつれ家屋の状況がより悲惨になっていく。そして神戸市に。東灘区や灘区ではまともに建っている家屋が見当たらない。全壊、半壊ばかりで目を背けずにはいられません。見かけた避難所で持ってきたわずかな水や食料を渡す。
神戸に向かって歩いているとどこかの駅前で「喫茶安全地帯」という店を発見。半壊しておりとてもじゃないが安全地帯とはいえない。店主は大丈夫だったのだろうか? お店の名前を決める時にまさかこんな事態になろうとは…これっぽっちも想像できなかっただろう。
昼すぎ三宮に到着。そこはデートで訪れた、旅番組で紹介した憧れのオシャレタウンではなかった。警察官や消防士、自衛隊が慌ただしく動き回る被災地でした。炊き出しをして道行く人に配っている方も。渡してくれるが申し訳なくて受け取れない。被災者でもなく復興支援者でもないのだ。
中華街でかろうじて営業していた店先で肉まんを買って食べる。温かくてうまかった。体とココロの疲労を救ってくれる。
「食べ物やさんって偉大だなぁ~」
4日間報道の仕事をして、なんとなく世の中の役に立った気になっていました。けれどこうして現場に来ると無力感が身に染みるのです。救助したり飲食を提供している人の方が立派なんじゃないか? 自分の仕事に薄っぺらさを感じずにはいられませんでした。
そのまま長田まで歩き市場の辺りへ。そこは焼け野原。まだ何かが焼けている匂いがする。声が出ない、感情が湧き起こらない。
……。
ここに住んでいたY先輩のご両親は亡くなった。結婚式でお会いしたこともあるし、小料理屋をやっておられてお店にも行った。屈託のない笑顔がチャーミングなお母さん…。
何で?
聞いていた住まいの辺りを探しお線香をあげる。でも本当にそこで合ってるのか…それすら分からない。手がかりが何もないのだから。
そこから大阪までどうやって帰ってきたのか、あまり覚えていません。阪神大震災の大枠の記憶がそこで途絶えてしまいました。突然終わってしまった人生、残された家族の思い…何も自分の中で消化されない。何かのホルダーがいっぱいになって上書き出来ていない。
大げさではなく人生観を変えさせられたし、職業意識を考えさせられました。
「このまま大阪でこの仕事を続けるべきなのか?」
30歳。阪神大震災の経験が今後の自分の人生を大きく変えようとしていました。
《雑記》この3回分読み返してみても伝えきれないもどかしさがあります。出来るだけそぎ落として言葉を連ねたのですが難しかったです。関係者の方が不快に思われたら申し訳ありません。
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