<コラム・熱闘スプラトゥーン甲子園/近畿地区大会>

直線距離で最大1200キロメートル以上も離れた場所に暮らす4人が、スプラトゥーンによって約3年も続く友人関係を築いていた。

23日と24日に、人気ゲーム「スプラトゥーン2」の全国大会予選「第4回スプラトゥーン甲子園 2019」近畿地区大会が京都府内で行われた。

初日にベスト32へ進み、メーンステージに登壇したチームの中でも異彩を放っていたのは「直線距離1274キロメートル」だった。チーム名の通り、宮城、山口、福井、奈良の全国各地から集まった男女4人組。手作りのおそろいのTシャツ姿で全力プレーし「楽しかったです!」と口をそろえた。

出身も年齢も職業も異なる4人が集まったのは、スプラトゥーンがきっかけだった。オンラインで全国のプレーヤーと楽しみながら、ボイスチャット上の会話などでお互いの性格を理解できる点がスプラトゥーンの特徴の1つ。初めて知り合ったのは約3年前。次第に「波長が合った」と関係性が深まり、第1回の甲子園大会出場を目指して現在のメンバーを結成した。

共通の趣味があるうえ、会話のテンポや性格も合致した4人の関係性は距離を超えていた。試合を経験するたびに絆は深まり、気づけば約3年の月日が流れていた。山口在住のリーダー〝ひいろ〟は「住む場所も違う4人がずっと仲良くなれるなんて。スプラをやらなければ出会えなかった。感謝です」と振り返った。

大会に向けては、深夜からオンラインでのチーム練習が日課だった。社会人1人と学生3人で生活時間帯が異なる中、仕事やバイト終わりに眠い目をこすりながら、毎日3~4時間ほど連携を確認し合った。大会で着用したTシャツは、イラストが得意なメンバーがロゴをデザイン。大会当日の朝4時までかけて、丁寧にプリントをした大事なユニホームだった。

試合後の4人は「まさか3回戦までこられるなんて。大事な友達。楽しかったです」と笑った。最高の仲間と挙げた2勝を大切に抱え、それぞれが暮らす地域へと戻っていった。【M】