人気のバトルロイヤルゲーム「荒野行動」を手がけるネットイースが、日本一を決める賞金総額1億円の大会「荒野CHAMPIONSHIP -夢への道」をオンラインで開催した。ファンや有志から賞金原資が加算される形での大規模な開催は国内では初で、優勝したDG-Coreは3000万円を受け取った。

大会は事前の予選などを通過した20チームが参加。2日にわたって全12マップを、生き残り順位と倒した数をポイント化して争った。スマホでも手軽に楽しめることから、男女を問わず若い世代に人気で、各チームにはSNSを通じて多くの応援メッセージが送られていた。

上位4チームには賞金のほかに、荒野行動のプロライセンス取得権利が与えられた。認定されれば年間で最大2500万円が支給され、チームの活動がサポートされる。公式大会への参加やゲーム内でのアイテムカスタマイズなど、試合の成績だけでなくファンとの連携役も期待される。

海外では大型スポンサーとともに活躍するプロ選手やチームが多数あるが国内ではまだ少数派。リアルスポーツがコロナ禍の影響を受ける中、eスポーツはオンラインでの活路を見いだし他のスポーツに負けない魅力づくりに取り組んでいる。賞金面に関しても、Bリーグ優勝の賞金5000万円と比較しても今回の優勝賞金は負けていない。個人スポーツであるゴルフでも国内ツアー優勝で3000万円ということから、選手としての夢や目標も抱きやすくなる。総合型スポーツクラブという存在が認知され増えてきているがeスポーツも同様。きちんと組織化される今回のプロライセンスによって、選手の待遇や地位の向上が見込まれる。子どもたちにとってもeスポーツの選手という存在が現実味をもって考えられるようになり、個人として活動するだけでなくチームでの活動もより活発になっていく。世界に比べてeスポーツの環境が整っていない国内のeスポーツが、荒野行動を筆頭に世界に匹敵できる状態になっていきそうだ。

参加者からは「eスポーツのトップを目指したい」「年下のメンバーのためにもプロライセンスを取得して明るい未来をつくりたい」「大会出場をきっかけに、家族から応援されるようになった。恩返ししたい」「プロになってがんばりたい」という声が寄せられた。大規模eスポーツ大会「RAGE」の総合プロデューサーである大友真吾氏は「1億円という額は選手の成長に大きな影響を与える。コロナ禍でのポジティブなニュース。ライセンスによる競技のプロ化によって活躍の場が提供され、それを見た人たちがプロを目指すというよいサイクルが生まれるはず」と評価していた。ゲストで試合を見守った手越祐也も「eスポーツが職業として認知されていくきっかけになると思う」と未来に期待していた。荒野の先にはプロの道が待っている。