なみちゃん、いきなり暗雲が垂れ込めた。開店でかけこんだ「ＧＡＮＴＺ」コーナー、最初に真ん中の台を選んだら、直後に左隣の台へ座った５０代とおぼしき男性が３０回弱で確変を引き当ててしまった。これに不安を感じたのか、すかさずもう１台だけ残された右の台へと移動することに。

　気を取り直して始めたが、１００回転すぎまでノーマルリーチがそこそこ出る程度。たまに発展しても外れて、「このままだとＧＡＮＴＺが嫌いになりそう」とつぶやいていた。

　漫画は何となく知っていた。７年前、二宮和也の主演で映画化されたのも覚えている。この機種で３万発出した人の動画も見て、予習してきたつもりだった。「甘くなかった」。心が折れそうだった。

　我慢に我慢を重ねて１３４回転目、画面に複数の登場人物が次々に登場した。それぞれ簡単なチャットを繰り返す。「信じろ、俺達ならやれる」と画面に出たセリフが妙に心に響いた。６並びで外れはしたが、リーチの間隔が徐々に短くなり始めた。

　１６６回転目、「ハハ、ゾクゾクするぜ！」「全部、俺の獲物だ！」「力を合わせて倒すぞ！」とセリフが画面で次々かぶされていった。「前向きな会話をしているから、もしかしてチャンスかも」。ボタンを長押しすると、画面左下で保留球マークの「Ｇ」の色が白から赤に変化した。「これって、期待度アップですよね」。なみちゃん、胸の前で両手を合わせてお願いポーズになった。

　祈りが通じてか、画面で８が並んでいる。大当たりだ。しかも、画面が動いて「ＧＡＮＴＺ　ＢＯＮＵＳ」の表示が出ている。３並びへの確変へと昇格した。「やっと出ました」。ホッとした表情になった。

　何とここからは１０連チャンの快進撃。出玉が止まらない。１０回目の大当たりは群予告が登場し、枠上部にある役物まで動いた。「１回目の当たりの後はずっと、頑張れＧＡＮＴＺって、応援していました。これで継続したのかもしれません。やっと、私のことを好きになってくれたのかもしれません」と笑いが止まらなくなった。

　１０日、２７歳になったばかり。「私、永遠の２５歳宣言をします。いつまでも若くありたいですから」と張り切る。１月の実戦は、「こいつは春から…」とばかりの初出場初勝利だった。今回は我慢の上に花が咲いた。春らんまんの連勝劇だった。

　◆春来成実（はるき・なみ）１９９１年（平成３年）４月１０日、北海道虻田（あぶた）郡留寿都村（るすつむら）生まれ。地元の高校卒業後、声優にあこがれて都内のアニメ専門学校に入学。学内オーディションに合格し、芸能事務所にスカウトされる。２７日からは舞台「サヨナラヲスルタメニ」（東京都台東区「スタジオ３６５」）に出演。２８日には「バースデー・オフ会」を昼は東京・目黒、夜は新宿で開催。ツイッターは＠Ｈａｒｕ＿ｋａ０４１０。アメブロ「なまら晴れ時々春」で情報発信中。１５４センチ。スリーサイズはＢ８０－Ｗ５９－Ｈ８３センチ。血液型Ｏ。

　◆取材協力＝新宿アラジン　ＪＲ新宿駅南口すぐ。営業時間は午前１０時～午後１０時４０分。本館と南館があり、それぞれ１～２階で遊べる。パチンコ４１０台、スロット４２１台。東京都新宿区西新宿１の１９の１。電話＝０３・３３４３・０００８。