<南東北大学野球:石巻専修大9-6東日本国際大>◇第1週初日◇23日◇福島・いわきグリーンスタジアム

 開幕試合は、石巻専修大が9-6で5季連続優勝を狙う東日本国際大を下し、06年春の優勝決定戦(プレーオフ)以来、9戦ぶりの同戦勝利を挙げた。2点ビハインドの5回表に見形仁一監督(49)の次男、1番和樹三塁手(2年=高知・明徳義塾)が今リーグ戦1号となる、逆転の公式戦初本塁打をマーク。今春Bクラス(4位)に沈んだチームは、5季ぶりのリーグ制覇に向けて弾みをつけた。

 8連敗中だった苦手に雪辱した。見形監督にとって「親子鷹」で目指す2年ぶり4度目のリーグ制覇への船出。窮地を救ったのは次男和樹だ。1-3の5回表1死一、三塁。カウント1-0から相手エース宮下淳(4年)の内角低め直球を左中間にたたき込んだ。高校時代を含めて公式戦初本塁打。和樹は「ゲッツー狙いでくるだろうと低めの球を狙っていました。遠くに運ぶことだけを考えていました」と会心の一打を振り返った。見形監督も「あれが効いた。チームを勢いづかせた」と息子の活躍に、ほおを緩ませた。

 チームは今春、見形監督就任5年目で初めてBクラスに転落。危機感を募らせた。春から主戦の4年生投手が抜け「5、6点取らなければ勝てない」と打撃中心のチームづくりを推進。その中で「1番(打者)は一番、打席が回る。トップでチームを引っ張ってほしい」と和樹に期待する。

 同監督は現役時代、甲子園(宇都宮学園=投手で完封勝利&満塁本塁打)や全日本大学選手権(専大=準V)で活躍。その父の背中を追って入学した和樹は、自身初の全国大会出場を目指す。現在は、母を神奈川の実家に残し、石巻市内で2人暮らし。和樹は「炊事は交代でしています。(父は)意外とまめです。首位打者になって神宮に行きたい」と意欲を見せた。【佐々木雄高】