<東京6大学野球:法大4-2立大>◇第2週初日◇17日◇神宮

 法大のドラフト1位候補右腕、加賀美希昇投手(4年=桐蔭学園)が延長10回146球を投げ抜き、4-2で立大との開幕戦を制した。同点で迎えた10回2死二、三塁、3番多木裕史内野手(2年=坂出)が右中間へ決勝2点適時二塁打を放った。立大は岡部賢也投手(2年=立教新座)が完投したが、初勝利を逃した。

 延長10回を投げ抜いた加賀美に安堵(あんど)の表情が広がった。9回で交代を打診されたが続投を志願。「何とか勝てて良かった。自分で勝ちたかった」と喜んだ。最速は148キロ。カーブ、チェンジアップに加えて、今春からスライダーを習得した。昨年までは中途半端な状態では使わないと封印していたが「カーブとチェンジアップの間ぐらいの球速で、投球を組み立てられれば」と、オープン戦から取り組んできた。

 早大・斎藤、大石ら同リーグに右腕のライバルは多い。「周りのことは気にしないで、立教戦の1試合目に集中してきた」と言う。エースの粘りが、多木の決勝打を呼び込んだ。金光興二監督(54)は「加賀美があまりいい状態ではない中で、10回まで投げたことが勝ちにつながった」とたたえた。巨人山下スカウト部長は「今日は変化球のコントロールがバラついていたが、直球に力がある」と評した。