<東京6大学野球:明大3-0早大>◇第3週初日◇24日◇神宮

 来秋ドラフトの目玉候補、明大・野村祐輔投手(3年=広陵)が「ハンカチ世代」を代表する早大コンビに投げ勝った。2連敗中だった斎藤佑樹投手(4年=早実)と、大石達也投手(4年=福岡大大濠)がリレーした早大を、102球の省エネ投球で2安打完封した。

 野村は最後の打者を右飛に打ち取ると、両手を広げて小さくガッツポーズをつくった。早大のエース斎藤と3度目の対戦で、初めて投げ勝ち「今度こそはという気持ちはあった。また1つ自信になった」と満足げだった。

 最速148キロの直球で内角を強気に突いた。8回、四球と失策で無死一、二塁のピンチを迎えた。2死までこぎつけ、1番渡辺侑にカウント2-3から2球ファウルで粘られたが、最後は146キロの内角直球で一ゴロに仕留めた。「打たせて取る投球ができた。直球でカウントも取れた」。140キロを超えるカットボールもさえた。

 エースとしての意地だった。昨季終了後、「自分を追い込むこと」をテーマに、冬場の練習に励んだ。体重はそのまま、体脂肪率は10%から7%に。「効果があった」と、この日も最後まで球威は衰えなかった。巨人の山下スカウト部長は「(来年のドラフトの)1位候補でしょう」と、高く評価した。

 善波達也監督(47)から験担ぎの「とんぺい焼き」を東大戦から2試合連続で登板前日に差し入れられ、連続無失点は16イニングに伸びた。「1年の時は助けてもらっていた。今は自分が柱で、という実感がわいている」。進化した3年生エースは力強かった。【今井恵太】