ハンカチ世代ローテーションで初の金メダルを目指す。今夏日本で初開催する世界大学野球選手権(7月30日開幕、神宮ほか)の選考合宿が19日、平塚球場で始まった。開幕投手の指名を受けている早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)は1回を無安打無失点で、振り逃げを含む3者連続三振と好投。代表22人は最終日の21日に発表される。

 「日本のエース」斎藤が1イニングで文句なしの結果を出した。優勝を逃した早慶戦以来のマウンドで、最速は146キロをマーク。11回から登板。1死からフォークで空振り三振(振り逃げ)、続く4番候補の中大・井上、東洋大・林崎からいずれも外角スライダーで空を切らせた。「良かったと思う。何としても選ばれて、金メダルを取りたい」と誓った。3者連続三振で、力を見せつけた。

 予選リーグは韓国、中国、キューバと3連戦で対戦する。榎本保監督(54=近大)は「(斎藤は)落ちるボールも持っている。1イニングで十分」と代表内定を出した。予選リーグは先発3人で回す構想。斎藤が開幕戦に先発すれば中3~4日で準々決勝、さらに中2~3日で決勝に先発するVローテーションが確立する。

 投手枠は8人の予定。斎藤以外の先発候補には中大・沢村、佛教大・大野らハンカチ世代のドラフト候補がそろう。救援待機する早大・大石らに加え、来秋ドラフトの目玉、東洋大・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)、明大・野村祐輔投手(3年=広陵)らの代表入りも濃厚だ。

 さらに榎本監督は「第4の先発」候補の存在を示唆した。予選リーグとは起用法を一転し、一発勝負の決勝トーナメントで先発させるプラン。最有力候補は巨人原監督のおい、東海大の最速155キロ右腕、菅野智之投手(3年=東海大相模)だ。通常のクローザー起用から、勝負どころで先発を託す。過去4大会、日本は銅→銀→4位→銀と優勝経験がない。斎藤を中心とした世代総力戦で、初の金メダルを取りにいく。【前田祐輔】