日本ハムから1位指名を受けた早大・斎藤佑樹投手(22=早実)が1日、「2010ユーキャン新語・流行語大賞」の選考委員特別賞を受賞し、都内で行われた表彰式に出席した。受賞語は、東京6大学秋季リーグ戦で50年ぶりとなる早慶優勝決定戦を制した直後に決めた名スピーチだった。特別賞は08年「上野の413球」(ソフトボール北京五輪代表、上野由岐子)以来2年ぶりで、野球界では02年の「GODZILLA(ゴジラ)」(松井秀喜)以来の受賞になった。大賞は武良布枝さんの「ゲゲゲの~」が輝いた。

 100季ぶりの早慶優勝決定戦を制した直後、第100代主将の斎藤が決めた優勝スピーチが、選考委員特別賞に輝いた。「何か持っていると言われ続けてきました。今日何を持っているかを確信しました…それは仲間です」。野球界では02年の前エンゼルス松井以来の特別賞だった。

 無数のストロボを浴びて壇上に立つと、慣れない舞台にやや顔を紅潮させながら、しっかりとした口調で切り出した。「今日はこのような賞をいただいて大変光栄に思っています。また今後も、この場限りと言われないように頑張っていきたいと思います」。プロ入り後も、頃合いを見計らっては、マイクパフォーマンスを継続する決意だ。

 11月に発表された流行語大賞候補60語に入った「もってる」は、サッカーW杯日本代表、本田圭佑(24=CSKAモスクワ)の言葉だった。主催者によると、60語の選考終了後に斎藤の「それは仲間」スピーチが飛び出し、選考委員の心を動かしたという。斎藤にとっては甲子園で優勝した06年にトップテン入りした「ハンカチ王子」以来、2度目の受賞だった。

 そんな「持ってる男」が選ぶ、最も「持ってる選手」とは。「イチローさんです。WBC(決勝、対韓国)での最後のタイムリー、すごいなと思いました。もちろん実力もあると思います」と理想像に掲げた。

 授賞式には新調した濃紺のスーツで登場した。集合写真では初対面したAKB48のメンバーらと一緒に納まった。約200人の報道陣を含む、約650人が集まった華やかな式典。プロ入り後の言葉については「基本的に言葉よりも行動。そこにともなう結果がないとだめだと思うので、頑張りたい」と、謙虚に締めた。